
出演:山口馬木也、冨家ノリマサ、沙倉ゆうの 監督・脚本・撮影・編集:安田淳一 殺陣:清家一斗
配給:ギャガ 未来映画社 2024年/日本/131分/カラー/G/1.85:1/ステレオ/DCP ©2024未来映画社
安田淳一監督が主人公に投影したのが「5万回斬られた男」と呼ばれ、「ラストサムライ」にも出演した斬られ役のレジェンド、福本清三さん。彼の謙虚さと慎ましさを反映させたというが、昨年公開された阪本順治監督作品「せかいのおきく」と同様、市井に生きる人々が互いに手を取りあう温かさを軸に置くのが時代劇の良さでもあるのだろう。
映画館の暗がりで味わったユーモアと人の情け。年末年始の冬休みは映画好きだった祖母が吉祥寺のムサシノ映画劇場に連れて行ってくれた。
鑑賞後、冬空の井の頭公園で従兄弟たちとチャンバラごっこに興じたものだ。
時代劇全盛時代が昭和の高度成長期だとしたら、侍タイのスマッシュヒットも昭和ブームの一つなのかもしれない。
SNSで言葉が牙を剥き、電子空間で弱い者いじめが横行する世知辛い世の中だが、映画館に足を運び、この作品を見てほっこりするのも悪くない。

出演:山口馬木也、冨家ノリマサ、沙倉ゆうの 監督・脚本・撮影・編集:安田淳一 殺陣:清家一斗
配給:ギャガ 未来映画社 2024年/日本/131分/カラー/G/1.85:1/ステレオ/DCP ©2024未来映画社
(文・延江 浩)
※AERAオンライン限定記事