次のマイルチャンピオンシップでは距離が長かったのか、ダイタクヘリオス、ダイイチルビーに雪辱を許しての3着。それでも当時は年末に行われていたスプリンターズステークスではダイイチルビーを抑えて堂々の1番人気に推され、G1初制覇の期待も高まっていたが、最後の直線で競走を中止。左第一趾骨粉砕骨折と診断され予後不良、安楽死の措置がとられた。
ここで取り上げた以外にも、ライスシャワーやホクトベガ、シンボリインディらのG1馬がレース中の故障で世を去った。もちろんG1馬以外にも毎年多くの馬が予後不良となっている。
ウマ娘などから競馬ファンになった方や競馬をよく知らない方などにとっては「骨折しただけで安楽死なんて……」と感じる方もいるかもしれないが、関係者にとって安楽死処分が苦渋の決断であること、テンポイントやサクラスターオーのように延命治療が必ずしも馬にとって最良ではないことだけは知ってもらいたいと切に願う。(文・杉山貴宏)