厳しく接しても選手を起用し続けていたという岡田前監督

「中堅、ベテランの選手たちは高額の年俸を受け取り、それに見合う貢献度が求められる。グラウンド上で力を示さなければチームにプラスにならないですから。決してドライな言葉ではなく、『力はあるんだから結果を示してね』という藤川監督のメッセージだと思います。特に梅野隆太郎、青柳晃洋、木浪聖也らは自分自身の立ち位置を理解しているでしょう。青柳はクレバーな投手なので発奮材料にするはずです」

安定の野球

 阪神の正捕手を務めてきた梅野だが、今季は配球面でやり玉に挙げられる機会が少なくなかった。先発マスクをかぶったCSファーストステージ第2戦・DeNA戦では3-10の大敗。先発の高橋遥人が二回、相手打線に初球をことごとく打たれて4点を失うと、三回から梅野が退き、坂本誠志郎に交代した。捕手陣は梅野、坂本を併用する形を続けていたが、今年の成績に限って言えば共に攻守で満足できる水準のパフォーマンスではなかった。捕手は経験がモノをいうポジションであることは間違いないが、新戦力の台頭はチーム力を引き上げる。強肩強打で「近未来の正捕手」の呼び声が高い中川勇斗、24年ドラフト4位の町田隼乙(独立リーグ・埼玉武蔵)が競争に割って入れるか。

 藤川監督は目指す野球像について、「3点ほど取ったらゲームをきっちり終わらせてくれる。安定の野球です。僕もそこは一番ベースになります。面白みがある野球ではなくて、スルッと気づけばゲームが終わっているというのも狙いです。そういうゲームって後ろからいくリリーバーが出やすいんですよ。ゲームの流れのよどみをつくらないようなゲーム展開にしたいというのはありますから」と語っている。守り勝つ野球を標榜する上で、投手力が生命線になる。

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