愛子さまの優美な歩き方の真髄
西出氏が表情の次にあげるのは「歩き方」だ。
「愛子さまの堂々とした歩き方を拝見して、明治時代に刊行された書物、『國民日常大鑑』の中の〈新時代の礼儀〉の項にある“無用の遠慮”という言葉を思い出しました。
例えば、今回のような昼食会の席に着くときに、遠慮や謙遜から、つい前かがみになって歩いてしまったり、ペコペコしながら歩いてしまうことはあると思います。
“無用の遠慮”とは、新しい時代となり海外との交流もあるのだから、それまで国内では良しとされていることも相手によっては失礼にあたることを示しています。そして、それは新しい礼儀として、相手によってはいらない遠慮があることを教えてくれています」
まさに、愛子さまの立ち振る舞いには“無用の遠慮”の視点があったことがポイントだと西出氏は指摘する。
「“無用の遠慮”の視点は現代にも通じるところがあると感じました。私もインバウンドや異文化コミュニケーションなど国際的な舞台におけるマナーの研修などでお伝えしているのですが、海外の人に対してはペコペコしたお辞儀は好まれず、逆にマイナスになってしまうケースが多くあります。 愛子さまはこれらを踏まえたうえで、自然に堂々と歩かれていたのだと思われます」
西出氏は愛子さまの歩き方も、常日頃の意識の賜物だったと指摘する。さらに、着席された愛子さまのある動きも、見逃さなかった。