その言葉通り挑戦は広がり、昨秋にはハーバード大大学院に入学した。
「新しい情報をもらい、経験をし、頭を使っている時間が楽しいです。例えば今は、アディダスのシューズの歴史や、大会ツアーの始まり、スポーツビジネスのお金が回る仕組みを学んでいます。プロアスリートとしての立場を改めて考える時間にもなっています」
ロサンゼルス五輪まであと4年。サーファーとしてピークの30歳で迎える五輪となる。
「まずは一年一年に集中して、五輪前に一度は世界チャンピオンになっておきたいと思います。そこから五輪の金メダルに繋げていきたいです」
二度の明暗分かれる五輪を経て、五十嵐にとってのサーフィンは変わったのか。そう聞くと目を輝かせながら答えた。
「自分の中で、今までで一番、サーフィンにハマってます。海に入っていて気持ち良いし、上手くなるために努力したいと思える。自分でコントロールできることはすべてコントロールして、4年後を迎えます」
(ライター・野口美恵)
※AERA 2024年11月11日号より抜粋