それから15年。
神田氏によると、宮内庁の医師団は、雅子さまの「全快宣言」を出していない。体調に波があり、時々、疲れが出るという。
雅子さまが結婚してから26年間、追っかけカメラマンをしている白滝富美子さんもこう言う。
「今でも、イベントのときは、雅子さまが出るか出ないかは体調次第だということがアナウンスされています。その日の体調次第だから何となく撮れるか撮れないかわからない心境でカメラを持っています」
とはいえ、最近は外見上、明るい笑顔を取り戻してきたように見える。今月22日には、都内であった全国赤十字大会に出席して、国内では初の単独公務をこなした。トランプ夫妻との会見では、終始にこやかに会話をしていた場面が多く見られた。
皇室外交、とりわけ皇后として、雅子さまにはこれから何ができるのだろうか。
同志社大学法学部教授の坂元茂樹氏はこう話す。
「日本の天皇、皇后両陛下は政治に関与することはできません。だから、両陛下には外交の基盤となるような国家間の関係を友好的に保つためのお仕事が待っている。両陛下は、外国の元首、首脳と親しくお会いしていただくことにより、日本の首脳に対するイメージを良くするという意味で、『皇室外交』は大きな役割を果たしていくのではないかと思います」
ある宮内庁関係者も「国と国との関係において、外交の一端を担うという意味合いはあります」と説明する。
雅子さまが陛下のそばにいることで、海外の要人たちに温かみを与えることは確かだ。国際舞台では通訳はもういらないのだろうか。
「雅子皇后は英語が堪能ですからおしゃべりになるんでしょうけど、国を代表する立場として母国語である日本語を使って、通訳を介して相手方と話すということは公式の場では必要かもしれません。だけど、非公式な場で、外国の要人と堪能な英語で会話を楽しまれるというのは、相手国の要人の心に響くようなお言葉をお伝えすることができるのではないかと思います」(坂元教授)