海外の賓客や要人と親しく交流し、人間関係を築くのも皇室の役割のひとつだ。そんな皇室の「あのとき」を振り返る(この記事は「AERA dot.」に2019年5月29日に掲載された記事の再配信です。年齢や肩書などは当時のもの)。
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新天皇即位後、初めての国賓となるトランプ米大統領が来日し、雅子さまが皇后として初の「皇室外交」に臨んだ。10月の「即位礼正殿の儀」では、各国要人と対面する場も控えている。今後、雅子さまが海外訪問している姿を見る日も遠くない?
27日午前、トランプ米大統領とメラニア夫人が乗った車が皇居・宮殿の車寄せに到着した。2人が車から降りると、天皇皇后両陛下は歩み寄り、英語であいさつした。
その後、東庭であった儀式の時は、雅子さまがメラニア夫人をエスコートし、笑みを浮かべて話しかけていた。宮中晩餐会の後の懇談では、雅子さまが16年ぶりに出席し、リラックスした雰囲気で会話していたという。
28日は、トランプ夫妻に別れのあいさつをするため、両陛下は宿泊先の都内のホテルを訪れ、笑顔で握手を交わし、最後の会話を楽しんだ。
皇后さまの仕事について、テレビ朝日で宮内庁担当記者を長年務めた、皇室ジャーナリストの神田秀一氏はこう話す。
「宮中晩餐会では、天皇陛下と大統領が男同士で話をし、近くの席で皇后と大統領夫人が話すのが恒例です。メラニア夫人の接遇は重要な役割」
まさに今回、そうした場面で、雅子さまの語学力が生かされた。
「雅子さまの英語は全く心配ありません。通訳はいらないレベル。外務省時代は外交官をされていた方ですから、皇室の中でも資質は飛び抜けたものがあります」(神田氏)
歴代の皇族の中では、英ロンドン生まれの故秩父宮妃勢津子さまの英語力が突出していたといい、「秩父宮妃殿下は以前、英国からマーガレット・サッチャー首相(当時)が来日した際、サッチャー首相から『パーフェクト』と言われたくらいです」(同)。
それに匹敵するという雅子さまは、どんな家庭でどのように育てられたのか。
父の小和田恒さんは元外務事務次官。母の優美子さんは大学卒業後、エールフランスに入社した。雅子さまは恒さんの海外赴任先の旧ソ連やアメリカなどで幼少期を過ごした。