メガバンクは買いか

 三菱UFJなどメガバンク3銘柄もすべてランクイン。シンプレクスが運用するアクティブ型ETFの組み入れ上位にもメガバンク株が幅を利かせている。

「メガバンク3銘柄はいずれも株価と資産のバランスを図るPBR(株価純資産倍率)が1倍を下回る割安状態です。東証の市場改革を受けて、各社がPBR1倍割れの解消を目指しています。

メガバンクは、いわゆる『持ち合い株』などの政策保有株を多く抱えているため資本効率は低いですが、今後それらを見直して成長投資や株主還元に充てることで、さらなる株価上昇が可能です」

 楽天証券経済研究所シニアマーケットアナリストの土信田雅之さんも、メガバンク3銘柄についてコメントした。

「バフェット氏関連で話題になりましたが、大企業で財務も安定、業績もそこそこ。株価は出遅れていた、っていうところですね」

 土信田さんは20年以上、ネット証券の投資家動向を見てきた。

「20年前、私が日本株のリサーチをはじめた頃は当時の小泉純一郎首相による改革への期待が高まる一方、IT関連の新興企業が次々に上場していました。急成長中のブラジルや中国などのBRICs諸国も話題で、『イケイケ』の銘柄が買われる雰囲気でしたね」

 新NISAではイケイケ銘柄に飛びつく動きは見られない。大型株が都合よく値下がりする場面でサッと拾う、賢い投資家が増えた。

「実際、2024年8月5日の暴落時に当社の新NISA口座は買い越しでした。急成長は見込めなくても株価はゆっくり上昇しそうで、安定的な配当がもらえて、倒産しなさそうな銘柄……というと有名な大型株になりますよね」

優待のお楽しみ

 優待人気の銘柄がちょこちょこランクインしているのも特徴的。優待クロス取引による「優待タダ取り」を阻止すべく長期継続保有の条件をつける企業が増えているため、新NISAとは相性がいい。

「15位のイオンや26位のセブン&アイ・ホールディングスは買い物優待券がもらえます。楽天証券の新NISAでは優待人気の日本マクドナルドホールディングスも買われています」

楽天証券経済研究所の土信田雅之さん(撮影・佐藤創紀/朝日新聞出版写真映像部)

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