シンプレクス・アセット・マネジメント 運用本部 トレーダーの金 賢(きん・けん)さん(撮影・佐藤創紀/朝日新聞出版写真映像部)
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 主要ネット証券5社の新NISA口座を通じて買われた日本株リスト(非公開データ)、ベスト30を発表!【本記事はアエラ増刊「AERA Money 2024秋冬号」から抜粋しています】

【ランキングの表】新NISAで買われた日本株ベスト30はこちら!

 今回の新NISAランキングの集計期間は2024年1〜8月。この間、3月に日経平均株価が4万円の大台に乗り、7月には史上初の4万2000円台まで上がったが、8月には過去最大幅(率では史上ワースト2位)の暴落に見舞われた。

 シンプレクス・アセット・マネジメント運用本部トレーダーの金賢さんはランキングの顔ぶれを見てまず一言。

「誰でも知っている買いやすい超大型銘柄が多い。その筆頭格が買い付け金額でも買い付け件数でも1位のNTTです。株価156.9円、最低単位の100株で1万5690円(2024年8月30日現在/以下同)という買いやすさ、『倒産しなさそう』な安心感が人気の理由でしょう。配当利回りも3%台の絶妙な水準ですし」

 金さんはネット証券で働いていた時期がある。

「その頃に日々データを監視していた感想ですが、個人投資家の銘柄選びには知名度が大きく影響します。ただ、株式投資で利益を上げる観点からは、買い付けランキングをうまく使う賢さが必要」

配当+株価上昇狙いで

 時価総額や配当利回り、同業他社との比較などの切り口で、銘柄をグループ分けしてみると違った側面が見えてくるという。

「たとえば時価総額10兆円以上の銘柄を比べる。今回のランキングではNTT、三菱UFJフィナンシャル・グループ、トヨタ自動車、三菱商事、KDDI、三井住友フィナンシャルグループ、任天堂、信越化学工業。

この中で業績がいいのはどのセクターか。そのセクターのライバル株でもう少し株価が割安なものは?

 株式投資の本質は値上がり益です。配当を取りながら株価上昇も狙いたい」

 今年、株価が上がった銘柄といえば半導体関連株。

「あんなに急騰していれば、飛びついてしまう人は多いでしょうね(笑)。今回のランキングではシリコンウエハーで世界首位級の信越化学工業が22位。28位のソシオネクストは知名度こそ高くないですが、株価は2000円台。東京エレクトロンが2万円台など、値がさ株の多い半導体セクターの中で買いやすい銘柄が選ばれています」

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新NISA投資家の買い方は