体格差があるクマにも犬はひるまない。画像はイメージ(GettyImages)
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 あんな出来事があった、こんな話題があった…と記事で振り返る「あのとき」。昨年の11月ごろに、多く読まれていた記事を紹介します(この記事は2023年11月10日に「AERA dot.」で掲載されたものの再配信です。年齢や肩書などは当時のもの)。

【現場写真】クマに襲われた女性の荷物

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 日本中で人がクマに襲われる被害が相次ぐなか、犬がクマを撃退する事例がいくつも報告されている。飼い犬に吠えられて逃げ出すクマの動画がSNSで拡散されたり、軽井沢町では民家エリアに近づいたクマを森に追い返す「ベアドッグ」が活躍していたり。しかし、クマはなぜ、自分よりも小さな犬を怖がるのだろうか。『ざんねんないきもの事典』シリーズの著者で、動物学者の今泉忠明さんに解説してもらった。
 

 なぜ、クマは犬を怖がるのか。今泉さんにその理由をたずねると、「正確には、怖がるというより、避けたがっている。かつて里山に暮らしていた野良犬の記憶が残っているのでしょうね」と返ってきた。

「クマが野良犬の縄張りに入った場合、犬は追い出そうと立ち向かってきます。どんな犬も単独ではクマにかないませんが、2~3頭以上の群れをなして集団で攻撃してくる。これがなかなか厄介なのです」

 野良犬たちの戦術は、こうだ。まず1頭が、クマと正面から向かい合う。そして他の仲間はクマの後方に陣取り、隙を見て後ろから足にかみつく。アキレスけんを切れば獲物の動きが止まることを、本能的に知っているからだ。そして怒ったクマが後ろの犬を攻撃しようとすると、今度は最初に正面にいた犬が、再び後ろから足にかみつく……。

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