甲斐がFA権を行使した時、獲得に乗り出す可能性が高いのが巨人だ。阿部慎之助監督が就任した今年は4年ぶりのリーグ優勝を飾った。CSファイナルステージでDeNAに敗れたが、その戦いぶりは十分に健闘したと言えるだろう。ただ、来季もリーグ連覇を狙うためにはプラスアルファが必要になる。補強ポイントの1つとして考えられるのが捕手だ。今年は岸田行倫がチーム最多の72試合先発でマスクをかぶり、小林誠司が36試合、大城卓三が34試合だった。それぞれの捕手が自身の持ち味を出していたが、絶対的な存在にはなれなかった。巨人は2019、20年と日本シリーズに出場したが、ソフトバンクに2年連続で4連敗を喫している。この時に、卓越したリードで巨人打線を翻弄した捕手が甲斐だった。
「事実上のトレード」
「甲斐のすごさは日本シリーズで対戦した巨人の首脳陣、選手たちが肌で感じたでしょう。常勝軍団を築いたソフトバンクの扇の要として活躍し、17年から6年連続ゴールデングラブ賞を受賞しています。18年の日本シリーズ・広島戦では6度の盗塁をすべて阻止し、MVPを獲得しました。侍ジャパンの常連で活躍していますし、バッテリー強化の観点で最も欲しい選手でしょう」(民放のテレビ関係者)
ソフトバンクは甲斐の慰留に全力を注ぐだろう。だが、他球団にFA移籍となれば補強が必要になる。2番手捕手・海野隆司、若手の成長株・谷川原健太、ベテランの嶺井博希がいるが、軸になる捕手を考えると心許ない。球界関係者は「ソフトバンクは、今年FA権を取得した大城を高く評価しているという情報が入っています。甲斐が流出するようなら、大城の獲得に動くのでは。『事実上のトレード』ですね。可能性は十分にあると思います」と明かす。