台風から変わった低気圧や前線の影響で、九州など西日本では11月1位の記録的な大雨となっています。2日(土)午後は、大雨エリアが西日本から東日本へ移り、東海・北陸・関東などで警報級大雨のおそれ。数時間で100ミリ前後の大雨となる所もあるため、道路の冠水などに警戒が必要です。
九州など24時間で350ミリ超え 11月として記録的な大雨
台風から変わった低気圧や前線の影響で、九州など西日本では11月として記録的な大雨となっています。
今日2日(土)未明、長崎県北部で「線状降水帯が発生」、長崎県平戸市では1時間に約120ミリの猛烈な雨が降ったとみられ「記録的短時間大雨情報」が発表されました。24時間雨量(2日午前9時まで)は、長崎県松浦市や平戸市では350ミリを超え、平年の11月1か月分の2倍以上の雨がザッと降りました。
その他、2日午前9時までの24時間雨量の日最大値は、福岡市248.0ミリ、山口市211.5ミリ、広島市187.5ミリなど、127地点で11月1位の値を更新する記録的な大雨となっています。
九州の雨のピークは昼頃までで、午後は次第に止んできますが、これまでの大雨で地盤が非常に緩んでいます。2日午前10時50分現在、福岡県・広島県・島根県に「土砂災害警戒情報(警戒レベル4:危険な場所から全員避難)」が発表されています。雨が止んでも、しばらくは土砂災害や川の増水・氾濫・低い土地の浸水に警戒が必要です。
2日(土)午後 警報級大雨エリア東へ 各地の大雨警戒時間帯
午後は警報級の大雨エリアが西日本から東日本へ移ります。
【各地の大雨ピーク時間帯】
九州 2日午前中心
中国・四国 2日昼頃
近畿・北陸 2日昼過ぎ
東海 2日昼過ぎ~夕方
関東 2日夕方~夜のはじめ頃
数時間で100ミリ前後の雨がザッと降るため、道路の冠水などに警戒が必要です。また、大気の状態が非常に不安定となるため、落雷や竜巻などの突風に注意が必要です。
関東は夕方~夜が大雨ピーク 雨が止むのは?
関東の雨のピークは、夕方~夜のはじめ頃(午後9時くらいまで)。午後はいったん雨が小康状態になる所もありますが、油断禁物です。低気圧が近づく夕方~夜のはじめ頃は、関東南部を中心に1時間に50ミリ以上の非常に激しい「滝のような雨」が降る所があるでしょう。沿岸部を中心に風も強まり、「横殴りの雨」となり、道路が一気に冠水するおそれがあるため警戒が必要です。
2日(土)21時以降は、雨が止む所が多く、次第に天気は回復する見込みです。明日3日(日:文化の日)は全国的に晴れ、4日(月:振替休日)は、沖縄や九州~東北は晴れて行楽日和が続きますが、低気圧が近づく北海道は断続的に雨で、日本海側の沿岸部ほど風が強まるでしょう。
大雨が発生 とるべき対応は
大雨が発生したら、適切な対応ができるよう、事前に確認しておくことが大切です。安全を確保するために以下の点に注意してください。
① 河川や用水路には近づかないでください。普段は流れの遅い河川や用水路でも、大雨によって水かさが増したり、流れが速くなったりします。増水した用水路は道路との境目が分からなくなっていて、足を取られるおそれがあります。
② 運転の際は、アンダーパスなど低い道路は避けるようにしてください。低い道路には雨水が流れ込みやすいため、すぐに冠水してしまうおそれがあります。車が水没して故障したり、水圧によって、ドアが開かなくなったりして、車内に取り残されると、非常に危険です。無理をして通らず迂回するなどの対応をとってください。
③ 山などの急な斜面はいつ崩れるか分からないため、決して近づかず、斜面とは反対側に避難するようにしてください。土砂災害警戒情報や大雨警報の危険度分布を細かく確認して、状況を常に把握するようにしましょう。
④ 地下は浸水するおそれがあるため、雨漏りなど異変を感じたら地上に移動するようにしてください。地下では、危険を察知することが遅れてしまいがちです。こまめに気象情報を確認し、速やかに地上に移動できるようにしておきましょう。
⑤ 上流にダムのある河川の近くに住んでいる場合は、ダムの水位情報を確認するようにしましょう。大雨が長時間にわたって降り続くと、ダムは決壊を防ぐために放流を始める場合があります。