ほかにも、全体的にガラス張りみたいな家だったので、落ち着かないんです。友だちには「すげーオシャレじゃん」って評判よかったんですけど、住むのはちょっとね(笑)。友だちの家ぐらいだったらちょうどいいですかね。
それからは、ぬくもりのある家を探したりもしました。
──両親の愛情を実感したことは?
大人になって親と対等に話せるようになってから、より感じるようになったと思います。一緒にお酒を飲むんですけど、仕事の話とか昔の話とかしたりして。
僕は8歳から芸能をやってたので、いろいろと苦労をかけてたみたいなんです。
──アキラにとっての町の人々のように、家族以外で自分を育ててくれた存在はいますか?
誰が育ててくれたというよりかは、役者・アーティストという仕事を通して、いろんな世代の人と出会って話して感性に触れることが、日々自分の生き方を磨くことになってる気はしますね。
僕は、自分がこう生きてるからっていうエゴを人に押しつけることもないし、好きに生きりゃいいっていう感覚です。みんなが好きなことやってご飯食べられてたらよくない?って。
──理想の父親像は?
結婚願望はすごいあるので、父のように、年を重ねて自分の趣味を押しつけるような親になりたいです(笑)。これはもう代々つなげていくしかないと思う。
子どもとは自分の好きなものを共有したいし、いいものはちゃんと教えたい。今伝えるんだったら……デニム? 男は白Tとデニムでいいんだっていう。僕も父に、「男は時計とベルトと革靴だ」って言われました。
もちろん子どもには好きに生きてもらうっていうのが大前提で。否定しない父親になりたいです。
弟が18歳くらいのとき、将来について相談を受けたんですが、否定から入っちゃったんです。左脳的な脳みそが働いて、自分がここまで来るのにかかった時間とかを計算しちゃった。別にこうなりたくて仕事をしたわけではないし、好きでやってたから、今があるんですけど。
だから、そういうのはもうやめようと思って。弟に限らず相談されたら乗るけど、基本的には好きに生きろよって。