完全復活が待たれるのが、かつてのエース・青柳だ。21年から2年連続で最多勝、最高勝率に輝き、22年は最優秀防御率を含めて「投手3冠」に輝いたが、相手球団のマークが当然厳しくなった。昨年は8勝に終わると、今季は2勝止まり。投球回数61イニングで18年以来6年ぶりに100イニングを切った。
阪神は才木浩人、高橋、大竹耕太郎、村上頌樹、ビーズリー、西勇輝、伊藤将司、及川雅貴、門別啓人と先発陣の層が厚い。ただ今季は、昨季大ブレークでMVPに輝いた村上が7勝11敗と負け越し、伊藤も4勝5敗とふるわなかった。今季の巨人がベテランの菅野智之が15勝をマークし、4年ぶりのV奪回の原動力になったように、青柳が白星を積み重ねれば大きなプラスアルファになる。
「意地を見せてほしい」
「考えすぎて慎重になり、四球から崩れる場面がここ2年間は多かったですが、青柳の強みは力のある球を投げられることです。シーズン終盤に直球、ツーシームをストライクゾーンに投げ込み、復活の兆候を見せていました。30歳とまだまだ老け込む年ではないですし、意地を見せてほしい。来年は野球人生の分岐点になる大事なシーズンになります」(関西のテレビ関係者)
昨年38年ぶりの日本一に輝いた主力選手たちは、レギュラーを確約されているわけではない。野手を見渡すと、梅野と同様に奮起が求められるのが遊撃の木浪だ。出場機会に恵まれない時期が続いていたが、岡田前監督が就任した昨季に遊撃の定位置をつかみ、127試合出場で打率.267、1本塁打、41打点と自己最高の成績をマーク。得点圏打率.310と勝負強さが光り、「恐怖の8番打者」と形容された。安定した守備能力も貢献度が高かった。