「第27回ITTF-アジア卓球選手権大会」で中国を下し優勝した女子団体。抱き合って喜ぶ張本美和(左)と早田ひな(写真:VCG/アフロ)
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 カザフスタンにて10月13日まで開催された「第27回ITTF-アジア卓球選手権大会」の女子団体決勝で、日本が「絶対王者」中国を3-1で下し、2021年以来となる2大会ぶりの優勝を果たした。 中国が出場した大会での優勝は1974年以来、50年ぶりとなる。

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 第1試合で張本美和(16)が勝利し、第2試合の伊藤美誠(24)は敗れるも、第3試合で平野美宇(24)が勝利して王手。そして第4試合では張本が世界ランク1位の孫穎莎(23)から大逆転勝利を収めた。

 ここ数年は、若い世代の躍進で中国との実力差が縮まったようにも見えていたが、8月のパリ五輪女子団体決勝では0-3の完敗。改めてその背中が遠いことを思い知らされただけに、この歴史的快挙に卓球ファンからは、

「何度も夢見た瞬間がようやくやってきましたが、正直信じられないような気持ちでした」
「いつかは越えられると思っていましたが、こんなに早く訪れるとは思ってもいませんでした」
「このまま中国の選手に勝ち続けることがこの先の世界卓球や五輪に繋がると思います」
「この勝利がまぐれと言われないように、さらに強い日本になってほしいです」

 と、たくさんのエールが送られている。

 そんな日本の躍進に大きく貢献しているのが、2018年に開幕したセミプロリーグ「Tリーグ」であることは間違いないだろう。しかし、そこで活躍する選手たちの収入事情についてはあまり知られていない。

「卓球選手は所得の性質から基本的に大きく3つの種類に分けられます。1つは学生やアマチュア選手。2つ目が企業に所属しながら企業の社員として活動する選手。最後にプロ契約を結んだプロ選手です。日本で活躍する卓球選手は一般的には実業団に所属しており、その企業から毎月給料をもらいながら卓球選手として活動しているケースがほとんど。その場合、企業や選手の実力によって差異はありますが、社員の平均年収程度だと言われています。一方、Tリーグに参戦しているようなプロ選手には所属チームから契約金や年俸、勝利給が支払われ、卓球メーカーがスポンサーにつくことが多い。年収は1000万~3000万円程度と推察され、一昔前に比べると卓球で食べていける選手は急増していますね」(スポーツライター)

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