斎藤大翔(金沢)

ファームに参入したオイシックスの強肩外野手

 今年のファームの試合を視察したNPBの関係者の間で話題になったのが、イースタン・リーグで首位打者に輝いた知念大成(オイシックス新潟)だ。今年からファームに新規参入した球団のリードオフマンとして、111試合に出場で打率.323、4本塁打、39打点、12盗塁をマーク。1軍の投手たちも登板するファームで結果を残したことは説得力がある。コンタクト能力が高く広角に安打を打ち分け、外野の守備も強肩で守備範囲が広い。走塁技術を磨く必要があるが、伸びしろ十分だ。知念は沖縄尚学を卒業後、社会人の沖縄電力に投手で入ったが、21歳から外野手に転向。高卒5年目の昨年に退社し、オイシックスでNPB入りを目指す覚悟を決めた。その思いは伝わっている。

「いつ見てもユニフォームが泥だらけ。『オレを見ろ』という雰囲気が伝わってくるし、常に全力プレーで執念が伝わってくる。実際に長いシーズンを完走して数字を残したことは大きなアピールポイントです。野性味あふれるプレーはNPBのステージでも通用する。彼が入ることで、他の選手も刺激を受けるでしょう」(セ・リーグの編成担当)

 麦谷と同様に中堅を本職としている。支配下で指名されることが予想されるが、大観衆が詰めかけた1軍のグラウンドで疾走する姿を見たい。

「1年目で新人王」を宣言した高校生遊撃手

 高校生では、遊撃で超高校級の守備能力に定評がある斎藤大翔(金沢)が面白い。俊足を生かしたフットワーク、三遊間の深い位置から一塁に矢のような送球をし、身体能力の高さにも定評があるが、プレーが粗いわけではない。丁寧なプレーを心がけてミスが少なく、捕ってから送球までの動作も速い。

 パ・リーグ球団のスカウトは「遊撃の守備力だけで言えば高校生の中でずば抜けている。スケールが大きいプレースタイルは松井稼頭央さん、矢野雅哉(広島)と重なる。打撃はプロで少し時間が掛かるが、体ができあがってくれば打球の力強さが変わってくるでしょう。あとは彼の負けん気の強さですね。メディア報道で、『高卒1年目で新人王を獲りたい』と発言したという記事を見ましたが、それぐらいの野心を持ってくれた方が頼もしい。即戦力の遊撃なら宗山塁(明大)ですが、斎藤も球界を代表する遊撃になれる逸材です」と期待を込める。

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他の投手がまねできないフォームの高校生左腕