――監督が特にこだわったところは?
西井 劇中に出てくる車、トヨタマークⅡですかね。広島の中古車屋さんにあるのを見つけて、交渉して借りてきました。走行距離を増やさないように陸送でトラックに乗せて持ってきてもらって。友近さんのドラマということで快く応じてくださって、金額的にもずいぶんお安くしていただきました。
友近 えーありがたい! これはその方にお会いしてお礼を言わないとだわ。
――制作費はどうやって集めたのですか。
友近 プロデューサーが、愛媛にある私の後援会を通して賛同するスポンサーさんを集めてくれたんです。企業さんがたくさん手を挙げてくださったのは本当にありがたかったですね。愛媛はあったかい人が多いんですよ。
西井 ドラマの合間に登場するCMの企業さんたちですね。実際、かなり宣伝効果があったようで驚いている企業さんも多くて。
友近 喜んでもらえてよかったよね。
西井 はい。さらに友近さんご本人からも結構な制作費を入れていただいていまして……。友近さんは企画、主演、協賛ですね。ようやくプラマイゼロが見えてきたかな、くらいにはなってきたので、そこも本当によかったです(笑)。
泥臭いのが好き
友近 「やりたい!」って思ったら、何がなんでも実現させたいからね。西井くんもそうだと思うけど、お金を稼ぎたいとかではやってないんですよ。面白いことがやりたいからやるという。
西井 まったく一緒です。僕もその気持ちで動いていました。
友近 「Netflixでやればいいのに」と言う人も多くて。それはどう思う?
西井 僕、それは違うと思います。
友近 そやねん! フィルムエストでやるのがいい。私はこの手作り感が好きだし、泥臭いのが好きだから。
西井 YouTubeで誰でも見られるっていうところが一番よかったと思いますしね。これからも泥臭く、お高くとまらずにやっていきたいですね(笑)。
――第2弾を、という声も上がっています。
友近 西井さん次第です!(笑)
西井 気持ち的にはやりたいんですけどね。あれ以来、西村京太郎さんの時刻表トリックの作品を見たりしちゃってる自分もいるので……。
友近 こんな構想もあります。カラオケの本人映像みたいな、どんな曲を選んでも私が出てくる「友近映像」というチャンネルを作って、そこで流れる昔風のいかにもなカラオケビデオを西井さんに撮ってもらいたい。
西井 アハハ! いいですね。僕は具体的に何っていうのはないんですけど、いつか海外のロケにも挑戦したいですね。ニューヨークで80年代っぽいものを撮ってみたいです。
友近 いいね~、それも一緒にやりたい! また夢が広がるわ(笑)。
(構成・ライター 大道絵里子)