吉村知事にかわって泉房穂氏がテレビ出演
だが、コロナ禍が縮小して行動制限がなくなるのと歩調を合わせるように、吉村知事をテレビで見る回数はすっかり減った。
とって変わるようにテレビで見ることが増えたのが、兵庫県明石市の前市長、泉房穂氏だ。泉氏は自民党にも維新にも容赦ないコメントで知られ、衆院解散後も明石と大阪、東京を駆け回ってメディア出演を続けている。
泉氏は取材に対してこう話す。
「私がワイドショーなどに呼んでもらっているのは、出ると数字が跳ねるからだと聞かされています」
先の民放局幹部も、こう言った。
「いま、いちばん視聴率、数字がとれるのは泉さん。衆院の解散・総選挙もあって、維新の吉村知事は出しにくい。それに数字も泉さんの方が明らかにアップして、吉村知事は伸びにくくなった」
冒頭の維新のA氏は、こう話す。
「自民党や公明党のような強固な組織の支援がない維新にとって、テレビの威力はすごいものがありました。これまで選挙で勝てたのも、人気のある吉村知事がテレビに出まくっていたのが追い風になっていた。しかし、万博関連での批判や、維新議員の不祥事での謝罪、とりわけ兵庫県の斎藤前知事の疑惑と、対応に追われることばかり。テレビ出演で吉村知事が泉氏にこれまでの立ち位置をとられてしまったことも維新低迷の理由でしょう」
維新の参院議員が無所属で知事選出馬へ
斎藤氏の失職に伴う兵庫県知事選は11月17日に投開票が予定されている。維新は、独自候補として維新の参院議員、清水貴之氏を知事選に擁立するはずだった。だが、清水氏は立候補表明の記者会見でこう言ったのだ。
「維新の会でずっと活動してきたが、本当に兵庫県が全国的に悪い印象を与えてしまった。無所属で立候補する」