「自民党の裏金作る政治、どうやって日本をよくするのか。(議員という)身分を守りたいのでしょう。維新は比例重複を認めず、やっていく」
【写真】吉村知事に代わるようにテレビ出演が増えているのはこの人
衆院選初日の10月15日、大阪市内でマイクを握った日本維新の会の共同代表でもある大阪府の吉村洋文知事が訴えた。
その数日前、
「これまでの選挙では比例の『保険』なんてどうでもええと思っていた。今回だけは欲しいと願っていたら、小選挙区の単独と決まった……」
と困惑していたのは、大阪府内で複数回当選を重ねてきた日本維新の会の前衆院議員A氏だ。
日本維新の会は8日、今回の衆院選で、大阪府内の全19選挙区のうち、擁立が決まったばかりの大阪9区の新人を除く18選挙区の候補者について、比例近畿ブロックへの重複立候補を認めないと発表し、名簿を公表した。
A氏の事務所で話を聞いたが、パソコン画面には吉村知事の会見動画が映し出されていた。
動画の中の吉村知事は、
「大阪のメンバーは背水の陣で、厳しい状況で自民党、公明党とぶつかっていく。それぞれ(候補者は)腹くくっていると思う」
と険しい表情で語っていた。
「維新も自民党も変わらない」
2021年の衆院選、22年の参院選、23年の大阪府知事選、大阪市長選を含む統一地方選と、大阪や近畿の選挙で連戦連勝を重ね、近畿圏以外へも党勢を拡大してきた維新。しかし、今年になって風向きが変わってきた。地元大阪で今年4月には大東市長選、8月には箕面市長選と連敗し、市議補選、府議補選でも勝てなくなっている。
その理由をA氏はこう説明する。
「総論として、橋下徹氏が大阪府知事時代の2010年に大阪維新を結成して大阪では14年、国政に進出してからは10年ちょっとになる。いろいろ改革をして、有権者にも一定程度、認められている。しかし、府民・市民にはよくなったという生活実感があまりなく、『維新も自民党もどっちも変わらない』という話を聞かされることがある」