万博会場を視察する吉村知事(中央)

低迷の要因は「万博」「兵庫県知事」「テレビ」

 A氏は低迷した具体的な要因として、25年4月に開催される大阪・関西万博、兵庫県の斎藤元彦前知事の「悪名」、そしてテレビの3つをあげた。

 万博は、費用が膨れ上がる問題だけでなく、工事が遅れ、ガス爆発事故が発生し、海外のパビリオンが撤退し、前売りチケット販売は低迷するなど、マイナスのニュースが流れることが多い。

 最近も、日本国際博覧会協会(万博協会)の方針に、批判が殺到した。近畿6府県は万博に子どもを無料招待する事業の実施を決めている。学校の先生は児童・生徒を引率するために事前に会場の下見が不可欠だが、下見をした後に引率が難しいなどと判断して来場を取りやめたときには、万博協会がその入場券代を学校側に請求する方針だということが報じられ、あまりに理不尽な対応だと批判の声があがったのだ。大阪府交野市の山本景市長は7日に会見を開いて、子どもの無料招待事業の中止を求めた。

 これに対して協会の副理事長でもある吉村知事は10月9日の会見で、
「下見の結果、(万博に)行かないと判断することもありえる。入場料の請求は間違っている」
 と火消しに走らざるを得なかった。

 2つ目は、維新が知事選で推薦した斎藤前知事がパワハラや「おねだり」など数々の疑惑を内部告発され、兵庫県議会から不信任決議を可決され失職した問題だ。

 吉村知事は箕面市長選で維新の現職市長が惨敗した後、選挙戦の応援に入った際に、
「『維新を応援しているんだけど、斎藤さん、おかしいんじゃないか』と言われました」
 と、斎藤前知事の問題が箕面市長選や維新の支持急落に影響しているという見方を示していた。

 3つ目の「テレビ」は、吉村知事のテレビ出演が激減したことだ。

 新型コロナウイルスの感染拡大がはじまった20年から、関西の民放テレビ局では連日のように、吉村知事を登場させていた。当初はニュース関連で話を聞いていたが、いつしかワイドショーやバラエティーにも出演。

「吉村知事がテレビに出ると、視聴率が一気にアップする。知事なので、ギャラはいらない。コロナのせいで番組制作が苦しくなっていたテレビ局にとって、本当にありがたかった。吉村知事にとっても、大阪府や維新のPRになるという思いもあって、積極的に出演してくれたはず」

 と大阪の民放局幹部は話す。

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吉村知事と代わるようにテレビ出演が増えたのは