埼玉14区は、公明の新代表に就いたばかりの石井啓一氏が出馬する。石井氏は「代表が重複(立候補)を決めると士気が下がる」として、比例には立候補せず小選挙区一本で戦う“背水の陣”を敷くが、 両氏は石井氏の当選に太鼓判を押す。

 「立憲が候補者を立てていないし、問題なく当選するでしょう」(角谷氏)

「埼玉は創価学会員が多く、“聖地”と言われるほど強力な学会地盤があるので、落選はまずありえない。石井氏も確固たる勝算にもとづいて決断したはず」(野上氏)

10月11日時点で編集部が把握した、第50回衆議院議員選挙に立候補が予想される候補と、識者2人による当落予測。主要5政党以外から出馬し、当選可能性ありと判断された候補は「その他」の欄に記載した。太字・下線表記の候補は前職。【◎:有利、〇:やや有利、△:当落線上、▲:追い上げれば当選の可能性も】

「福井の恥さらしが!」と吐き捨てた地元民

【北信越ブロック】

 安倍派5人衆の一人である高木毅氏(福井2区)は、自民党派閥のパーティー収入不記載事件をめぐり6カ月間の党員資格停止処分を受けたが、今月4日付けで党員に復帰。いったんは衆院選での公認を得たものの、9日になると一転、非公認となった。

 福井といえば自民一強の土地柄で知られるが、すっかり“裏金議員”の色がついた高木氏は、今回ばかりは苦戦するだろうと野上氏は言う。

「かつて高木氏に、女性宅で下着を盗んだ“パンツ泥棒”疑惑が浮上した際、地元のタクシーの運転手は『福井の恥さらしが!』と吐き捨てていました。裏金作りに手を染めた上に自民党からも見放されたとなると、地元での風当たりはさらに強くなるでしょう。保守王国の北陸で自民党議員が落選という、前代未聞の事態になるかもしれない」

 一方の角谷氏は、安倍派5人衆の底力は侮れないという。

「とにかく地盤が強力。後援会の支持者たちは、裏金議員だろうが何だろうが応援しますよ。対抗馬が弱ければ、選挙は勝つでしょう」(角谷氏)

(AERA dot.編集部・上田耕司、大谷百合絵)

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大谷百合絵

大谷百合絵

1995年、東京都生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。朝日新聞水戸総局で記者のキャリアをスタートした後、「週刊朝日」や「AERA dot.」編集部へ。“雑食系”記者として、身のまわりの「なぜ?」を追いかける。AERA dot.ポッドキャストのMC担当。

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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