【北関東ブロック】
茨城7区は、当選15回を重ねた“無敗の男”こと立憲・中村喜四郎氏の選挙区として知られる。1994年にゼネコン汚職で逮捕された喜四郎氏は、自民党を離党後も無所属で当選を重ね、前回の2021年衆院選は立憲から出馬し、選挙区では初めて敗れたが、比例区で復活当選した。
先月、政界引退を表明し、今回の衆院選は長男で茨城県議の勇太(はやと)氏が無所属で出馬する。勇太氏は父の後援会組織「喜友会」を中心に約10日で2885人の推薦人を得たことで、立候補を決めたという。
「立憲は世襲を認めないため、勇太氏は無所属で出馬することになりました。その代わり、父が意地になって支援して、かわいがっている長男を当選させるでしょう」(角谷氏)
一方の野上氏は、勇太氏は厳しい戦いを強いられると予測する。というのも、中村親子の周囲では“内輪もめ”が起きているというのだ。
「喜四郎氏は、県議選の際に県内の有力政治家の対抗馬として勇太氏をぶつけ、相手政治家を落選させたため、県議会関係者たちから恨みを買っている。“喜四郎離れ”のあおりを受け、勇太氏は苦戦するでしょう」
現職閣僚、まさかの落選危機!?
埼玉5区では、石破内閣で法務相に抜てきされた牧原秀樹氏と、立憲の最高顧問で元官房長官の枝野幸男氏という大物対決が見物だ。枝野氏は政治家になる前は弁護士だった過去を持つため、「人権派弁護士VS法務大臣の戦い」(角谷氏)という見方をしても面白いだろう。
牧原氏に対して6連勝中の枝野氏だが、前回の衆院選での票差はたったの6千票。加えて、立憲の代表選で野田氏に敗れたことで失望感も広がっており、「ウカウカしていると足元をすくわれる」(野上氏)状況だった。
しかし、牧原氏は8日の記者会見で、「世界平和統一家庭連合」(旧統一教会)や関連団体が主催する集会や会合に少なくとも計10回出席していたことを公表。選挙支援も受けていたといい、教団との蜜月関係が突如、明るみに出た。
これを受け野上、角谷両氏は、
「前回は接戦でしたが、今回も引き続き枝野氏に分がありますね」(角谷氏)
「牧原氏のチョンボを受けて、枝野氏の当落予測を△から〇に格上げします。現職閣僚、まさかの落選危機です」(野上氏)