2025年卒の学生が選ぶ「就職企業人気ランキング」の傾向を、マイナビキャリアリサーチラボ研究員の長谷川洋介さんに聞いた。

【人気企業ランキング】就職人気トップ10を見る【文系理系別】

文系首位は2年連続ニトリ

「ここ数年で票数が伸びて、2年連続で文系首位はニトリです」

 ニトリといえば、家具や雑貨、家電を販売している小売業のイメージが強い。

AERA2024年10月21日号より
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「そうした印象を持つ方も多いのかもしれませんが、ニトリは製造物流IT小売業という独自のビジネスモデルがあります」

 自社で商品の企画・製造をするメーカーとしての機能がある。他にも、商品を店舗まで配送する物流の機能もある。

「原材料の仕入れから販売、物流まで、社内のITシステムを整備しています。小売りだけでなく、さまざまな仕事領域をカバーしている特色がインターンシップなどを通して学生さんに伝わっているのだと思います。いろんな業種を見ている学生さんが、さまざまな側面からニトリに魅力を感じているのではないでしょうか」

AERA2024年10月21日号より

メガバンク人気が復活

 今年の特徴は、メガバンクがランクアップしたことだ。

 文系では前年15位だったみずほフィナンシャルグループ(FG)が2位に浮上。6位だった三菱UFJ銀行も4位になった。理系でも、91位だったみずほFGが75位、121位だった三菱UFJ銀行は78位に順位を上げた。

「銀行業界は古いイメージからの脱却を図る動きが見受けられます。お金を預かって貸し出す、為替の取引といった銀行固有の業務に加えて、新規事業をしていて、挑戦できる次世代人材を求めているのではないでしょうか。その姿勢は各社の採用ホームページにも表れています」

マイナビの合同企業説明会に集まった学生たち。売り手市場の中、大手回帰が鮮明だ(photo 横関一浩)

 確かに、採用ホームページを見ると、「変化」「挑戦」といった言葉が並んでいた。

「時代の変化に応じた新しい挑戦をしているという企業としての姿勢ですし、そういった学生さんを求めていると思います。堅いイメージがあるから、変わろうとしているギャップがあって、注目されている可能性があります」

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KDDIが大幅躍進、理系で昨年121位→3位に