最近の学生が就活に求めるものは、親たちの世代と変わってきているといいます。イマドキの学生の就活観は? 子どもの就職を考えるときに親が気をつけるべきことは? マイナビキャリアリサーチラボ研究員の長谷川洋介さんに聞きました。

MENU 親世代と今の学生たちの意識は変わってきた? ベンチャー企業への志向は、実はあまり高くない どんな企業が今後、人気ランキングに入る? 「自分のころとは価値観が違う」という認識が大切

親世代と今の学生たちの意識は変わってきた?

――今の学生たちの志向や意識は、親御さんたちの時代とは変わってきているのでしょうか?

 バブル期のころのように、大手企業に内定をもらい、そこでキャリアを積んでいって課長→部長と出世していくというような、いわゆる終身雇用を前提としたキャリアアップの王道が崩れてきていますし、経済的にも右肩上がりは望めない時代です。たとえば、航空業界のような安定した“花形”とされる企業であっても、コロナ禍で採用をやめてしまうなど、ふとしたことで影響を受ける様子を目の当たりにした世代でもありますから、就職観や志向はかつてとは違ってきていますね。

――具体的にはどのように?

 わが社では、学生の就職意識調査を1979年から継続して行っていますが、たとえば「企業選択のポイント」を尋ねると、「安定している会社」「給料の良い会社」が右肩上がりで伸びています。また「大手志向か、中堅・中小志向か」についても、半数を超える53.7%が大手企業と回答しています。不確定の時代とも言われ、社会がこの先どうなるか読みづらいですし、好景気の実感を味わいづらい時代でもあることから、就職先には、企業としての安定、経済的な安定の二つの安定を求めたいとの思いが表れているように感じます。

――就職観も変わってきているのですか?

 データを経年で見ていくと、就職観については「楽しく働きたい」「個人の生活と仕事を両立させたい」の2項目がずっと上位を保っているのですが、「個人の生活と仕事を両立させたい」は昨年(2024年)と比較して増加幅が大きくなりました。

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八木沢由香
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