80年代に巻き起こった女子プロレスブームの光と影を描いたNetflixドラマ「極悪女王」が各所で絶賛されている。33言語で全世界同時配信された同作は、配信されるや瞬く間に大きな話題を集め、反響は日本のみならず世界にも広がっている。
主演の悪役レスラー「ダンプ松本」を演じたゆりやんレトリィバア、もうひとりのヒロイン「長与千種」を演じた唐田えりか、2人による血と汗と涙にまみれた戦いは必見だが、“第3のヒロイン”として評価を挙げているのが「ライオネス飛鳥」を演じている剛力彩芽(32)だ。
出演に際し、10キロ増量したことを語っている剛力だが、同作に出演した女優の花屋ユウはインタビューで「剛力さんは太ももが倍くらい太くなるほど肉体改造されて飛鳥さんが“憑依”したかのようでした」(「週刊ポスト」10月11日号)と語っており、共演者も驚くほどだったという。映画ライターは剛力の演技をこう評価する。
「ゆりやんの怪演や唐田の体当たりな芝居が注目を集めていますが、剛力の芝居も相当すごいですよ。腹筋はバキバキになるまで仕上げつつ、女性特有のしなやかさや上品さもある。物語はダンプと長与の友情と因縁を軸に進行していきますが、そこにエリート選手である飛鳥ならではの苦悩も複雑に絡み合い、それを見事に演じ切っています。この3人が奇跡的に出会い、共演したことが成功の秘訣でしょう。剛力にとっては初めての“当たり役”にやっと出会えた気がしますね。『スピンオフで剛力さん演じるライオネス飛鳥の主演作を撮ってほしい』という声もあります」
2002年の「全日本国民的美少女コンテスト」に2次選考で敗退するも、会場でスタッフに声をかけられたことがきっかけで芸能界への足掛かりをつかんだ剛力。若くして連続ドラマの主演を張り、かつては事務所の“イチオシ女優”だった。
「彼女は長くオスカープロモーションに所属し、上戸彩が全盛期だった頃に“ポスト上戸彩”として頭角を現しました。2013年にはフジテレビの金看板である“月9”の『ビブリア古書堂の事件手帖』で初主演が決まり、華々しいデビュー作となるはずでした。しかし原作ファンから不評を買い、最終回は視聴率8.1%と当時の月9枠最低視聴率になってしまった。それでも事務所は剛力を推しまくり、深夜ドラマの主演作は制作されましたが、軒並み不評。代表作とも巡り合えず、女優業としての評価は得られないままオファーは激減しました。その評価を一変させたのが『極悪女王』でした。彼女が腐らずに女優を続けてきた根性が、ライオネス飛鳥という当たり役を引き寄せたのでしょう」(前出の映画ライター)