先述のとおり、パ・リーグがCSを採用したのは消化試合を減らすため。昭和の時代から「人気のセ、実力のパ」と言われ、両リーグのチーム間には歓客動員(=収入)に大きな開きがあった。しかし、近年では各球団の営業努力もあり、パ・リーグの球場来場者数が飛躍的に伸びた。

 さらに、試合中の凝った演出や魅力的なグッズ販売などエンターテインメント性が格段に上がったことで、球場に足を運ぶ観客の層も変化。今季も中日西武は早い段階からチームは低迷したものの、本拠地最終戦まで客足は落ちなかった。かつての「勝てば見に行くが、負けたら行かない」という状況も変わっており、CS導入当時の消化試合を減らすという目的は薄れつつもあるが……。

「NPBや各球団からすると、CS自体がビジネス的に大きな旨みがある優良コンテンツ。視聴率が取れて広告も多数集まるので、テレビ地上波放送も見込める。規定の見直しはあってもCSをなくすことは考えられないのではないか」(スポーツマーケティング会社関係者)

 CSの廃止については興行的な観点からも厳しいという意見も多い。だが、開始時期については「レギュラーシーズン全日程を全球団が一斉に終えて即座にCSに入るのが良いのではないか。レギュラーシーズンからすぐにCSに突入すれば、正当な実力差が反映された戦いになると思われる」(在京テレビ局スポーツ担当者)とCSを継続する場合には変えるところがあるという意見も。

 シーズン終了からの空白期間に関しては以前から指摘されていた。今季のスケジュールを見ると、CSのファーストステージは両リーグ10月12日に始まるが、開幕前に発表された日程では10月4日にレギュラーシーズンの全日程が終了予定だったため、8日間の空白期間が設けられてた(実際には10月9日まで順延された試合が開催予定)。

「雨天中止などの予備日だろうが、空き過ぎている感じはする。NPBや各球団は日程調整が大変だと思うが、全日程を全球団が一斉に終える方が継続性と公平感の両方で納得できる。間延びしないので世間的にも大きな話題となることが期待できるのではないでしょうか」(スポーツマーケティング会社関係者)

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