9月30日スタートの連続テレビ小説「おむすび」でヒロイン・米田結を演じる橋本環奈さん。はつらつとした声でインタビューに応じた。AERA 2024年10月7日より。
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9月初旬に行われた、NHKの連続テレビ小説「おむすび」の合同取材会。どんな質問に対しても、その大きな瞳をまっすぐに質問者の方に向け、淀みなく的確に、想いを口にしていた。
「『食卓のシーンをまとめて撮影すると膨大なセリフになる』とおっしゃっていましたけれど」と、筆者が質問をすると軽やかな笑い声。質問には、はきはきと相槌を打つ。この屈託のない、誰をも笑顔にするはつらつとした声が、これまで経験してきた数多の現場に明るさと前向きさをもたらしてきたのだろう、と想像する。
俳優デビューは2011年。是枝裕和監督の「奇跡」のオーディションに参加し、役を手にした。映画「セーラー服と機関銃-卒業-」、「銀魂」「キングダム」シリーズなどで人気を博し、22年には「第73回NHK紅白歌合戦」の司会に抜擢された。当時23歳。堂々たる司会ぶりはテレビ越しに見ていても清々しく、その輝かしい魅力は天性のものでありながら、撮影現場で磨かれてきた人間力から放たれるものなのだろう、と感じずにはいられなかった。
「おむすび」の物語は、福岡県を舞台にスタートする。自身が、高校を卒業するまで過ごした特別な場所だ。馴染みのある博多弁もそのまま。根本ノンジによる脚本を初めて読んだときから「早く演じたい」という気持ちになり、「演じる結の気持ちがわかるから、撮影中も迷うことがない」と言い切った。
仕事と両立していた高校生の頃から、私は好きなことができている──。そう口にする橋本環奈は、やっぱり気持ちがいいほどに頼もしい。(ライター・古谷ゆう子)
※AERA 2024年10月7日号