木村カエラさん(撮影/写真映像部・高野楓菜)
木村カエラさん(撮影/写真映像部・高野楓菜)

――ご自身で作詞作曲された曲もありますね。

 これまで作曲することが少なかったので、3曲は自分で作詞作曲したいという願いがありました。自分の中にあるものをゆっくり歌詞に消化していく時間が持てて、作っていてすごく楽しかったですね。頭で考えずに、自然に自分の体から音に合わせて出てくる言葉だったので出来上がって聞いてみると、何だか私みたいだなと思いました。

 私に対して、カラフルでポジティブなイメージを持ってくれている方が多いと思うのですが、基本的には物事をすごくネガティブに捉えています。それをどうしたらもっと楽しく、幸せになれるのかな、どうしたらその人とうまく付き合っていけるのかなとぐるぐる考えて、ポジティブな方向に持っていくんです。

――その変換は、曲作りだけでなく普段からやっているんですか。

 そうです。気持ちが落ち込んでいると、良いことないじゃないですか。だからそれに気づいた時は「どうしてだろう?」と理由を考えて、自分の思う“なりたい自分”を選ぶようにしています。だから、最初はネガティブな曲が、最後の方になるとめちゃくちゃポジティブになっていたり。そういう癖があります。

 歌詞を考えるときは、メロディーを何度も聞いて鼻歌を歌いながら、普段しゃべっている言葉のイントネーションと合っているものを探してパズルのように当てはめていきます。基本的に表現するものに対して嘘がつけないので、出てくるものは実体験だったり、その時の私がそのまま出ていて。

未完成ってすごく美しい

――今回のアルバムの中で特に気に入っている言葉はありますか。

「井の頭DAYS feat.SANABAGUN.」の歌詞は結構ストレートで、特に「未完成だから美しいの」というのは一番好きな言葉ですね。人間の性格も芸術作品も、全てにおいて言えることだと思っています。ついつい完璧を求めてしまったり、人と比べてしまったりするけれど、少し何かが欠けている方が魅力あるし、若い頃に何かが足りてないとがむしゃらに頑張ったり、全てが満たされていない未完成の状態ってものすごく美しいと思う。だから逆にそこを追求した方がいいなと最近、強く思うようになっています。

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