と、ついつい女子プロについては熱く語ってしまいたくなる。そしてその熱を久しぶりに思い出させてくれた「極悪女王」に感謝である。

 なにより俳優陣が素晴らしかった。剛力彩芽さんがライオネス飛鳥にしか見えなくなる。ゆりやんレトィリバァさんがダンプ松本の悲しみを身体ごと引き受けている。「不倫報道」で激しいバッシングを受けて表舞台から排除されてきた唐田えりかさん(長与千種を演じた)の演者としての復活に、これほど相応しい舞台はないだろうと祝福したい思いになる。俳優たちのリアルな人生も、リングでの闘いによってきっと熱く変革したのだろうと予感させることも含め、胸が熱くなるのだ。

 リングの上で闘うとき。たとえ殺意を抱くような相手であっても、相手への信頼がなければ、身体ごとはぶつかれない。その信頼の尊さに、50代になっても、やっぱり泣いてしまうのだと思う。80年代も2020年代も、この世は、相変わらず女にとってはどうしたって生きにくい。もしかしたら今のほうが生きにくさが深まっているかもしれず、今の女の子たちの絶望は80年代の比ではないかもしれない。そういう社会にあって、女への信頼に溢れた物語を、私たちは乾いた喉を潤すように求めているのかもしれない。未だに。

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