一般参賀でおことばを述べる天皇陛下と皇后さま(2020年1月)
一般参賀でおことばを述べる天皇陛下と皇后さま(2020年1月)
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 皇室にとって、外国との親密な関係づくりは重要な役割のひとつだ。そんな皇族方の「あのとき」を振り返る(この記事は「AERA dot.」に2022年9月17日に掲載した記事の再配信です。年齢や肩書などは当時のもの)。

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 9月19日に英ウェストミンスター寺院で行われるエリザベス女王の国葬に列席するため、17日、天皇皇后両陛下が政府専用機で英国に向かう。天皇が海外王室の葬儀に参列するのは、平成の時代に上皇さまがベルギー国王の葬儀に参列して以来のこと。令和の皇室と新英国王となったチャールズ3世(73)とカミラ王妃(75)との新しい関係を築く旅でもある。
 

 エリザベス女王の国葬のために、英国政府が日本に送った招待枠は2名。 

「バイデン米大統領も参列する今回の国葬で、官邸は首相を渡英させ、各国の首脳らとの会談の場を作りたかった。しかし、2枠しかないとなると皇后を差し置くわけにもゆかない」

 官邸関係者は、そうため息をついた。

 一方で、皇室にとって英王室は、特別な存在だ。昭和天皇は、皇太子時代に英国国王ジョージ5世から薫陶を受け、平成の皇室もエリザベス女王と親しく交流をした。令和に入って最初に天皇と皇后が招待を受けた王室も、英国だった。

 今回、両陛下が参列しないという選択肢はなかっただろう。

 加えて、皇室にとって英王室は特別な存在だ。英国の駐英大使を経験した人物から、かつてこんな話を聞いたことがある。

「日本の皇室は、英国王室と親しい関係であると同時に、ある種の緊張感を持っておられるように感じました」

 皇室は、海外王室と異なる歴史的背景を持つ。そのため、天皇が葬儀に列席することはめったにない。天皇は弔意を示すが、実際の葬儀に出席するのは皇族方であるのが普通だ。

ベルギー国王と明仁天皇の穏やかな交流

 最初の例外となったのは1993年、スペインで急死したベルギーのボードワン国王の葬儀だった。

 今回のエリザベス女王の葬儀への天皇の参列は、政府による閣議決定を経て、政府が天皇の参列を要請する形で決まった。政府専用機を使っての移動となる。つまり、天皇の「公務」ともいえる位置づけだ。

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