インタビューに答える佐久間宣行氏
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『ゴッドタン』や『あちこちオードリー』などの人気番組を立ち上げた“テレ東の伝説のプロデューサー”で、現在はフリーで活躍する佐久間宣行氏が、また新たな挑戦を始めている。芸人たちが「ブチギレながら褒める」ドラマバラエティ。佐久間氏の古びない感性について、AERA dot.の人気コラム「道理で笑える」の筆者でお笑い評論家のラリー遠田氏が話を聞いた。

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 9月3日にNetflixで配信開始された『トークサバイバー!ラスト・オブ・ラフ』が話題を呼んでいる。人気シリーズバラエティ『トークサバイバー!』の第三弾。芸人たちが自らのエピソードを披露して、面白くなければ途中で脱落するという前代未聞のトークサバイバル番組だ。ドラマのような設定の中で、芸人たちは半分役柄を演じながら笑いの真剣勝負に挑んでいる。

 このコンテンツの企画演出・プロデューサーを務めた佐久間宣行氏に、本作の見どころについて聞いてみた。シリーズ3作目ということで、制作にあたって明確に意識したことがあったという。
 

「トークのテーマってある程度限られてくるから、どんどん枯渇してくるんですよね。だから、今回はトークでも大喜利でもないものを作りたいな、と思ってずっと悩んでいて。いろいろな企画を考えていく中で、ギリギリのところで『ブチギレながら褒める』っていうのを思いついたんです」

 この企画では、芸人たちがその場にいる別の芸人に喰ってかかり、怒りをぶつける口調で褒め言葉を並べていく。話し方と内容のギャップで笑える上に、普段なかなか見られない芸人同士の褒め合い自体にも見ごたえがあった。

「芸人たちに企画を説明したら、最初はみんなよくわからないって感じでキョトンとしていて、首をひねりながら現場に行ってたんですよね。でも、いざ始まったら大ハネしたんでホッとしました。もうちょっと笑いに寄るのかなと思ったら、本当に熱いことを言われて、エモい感じになったりもして。そこまでは想定してなかったけど、あの場で彼らが言ったことが良かったんでしょうね」

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ラリー遠田

ラリー遠田

ラリー遠田(らりー・とおだ)/作家・お笑い評論家。お笑いやテレビに関する評論、執筆、イベント企画などを手掛ける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり<ポスト平成>のテレビバラエティ論』 (イースト新書)など著書多数。近著は『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)。http://owa-writer.com/

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