黒岩麻里『「Y」の悲劇 男たちが直面するY染色体消滅の真実』(朝日新聞出版)
黒岩麻里『「Y」の悲劇 男たちが直面するY染色体消滅の真実』(朝日新聞出版)>>書籍の詳細はこちら

 対象者にはアンケートを実施し、得られた回答をもとに統計解析が行われました。アンケートの項目として、ストレスの自覚については、最近1年間においてストレスを「まったく感じなかった」「あまり感じなかった」「多少感じた」「おおいに感じた」の4段階で回答を得ています。

 また、ストレスへの対処方法については、「感情に表わす」「精神的なサポートを求める」「肯定的に解釈する」「積極的に問題を解決する」「なりゆきに任せる」の5項目について、その方法を取る頻度を4段階(「ほとんど行わない」「たまに行う」「よく行う」「非常によく行う」)で選択を求めています。

 ストレスへの対処方法とストレスの自覚について調査した結果、対処行動とその実施頻度は、男女間でほぼ同じであることがわかりました。

 しかし、精神的なサポートを求める対処方法については男女間で差が見られ、女性ではおよそ8割が「たまに」以上の頻度で精神的なサポートを求めるのに対し、男性では半数以上が「ほとんどない」と回答しました。

 また、ストレスの自覚については、「おおいに感じた」と回答する割合が若干女性に大きかったものの、傾向としては男女間で似ていることがわかりました。

 さらに、およそ8.5年間の追跡調査により、1861人(女性645人、男性1216人)が亡くなり、ストレスへの対処方法と全死亡数の関係を調査しています。

 女性においては、「感情に表わす」「精神的なサポートを求める」「なりゆきに任せる」方法を「たまに行う」女性は、「ほとんど行わない」女性よりも全死亡リスクが約20%低いことが示されました。

 男性では、「感情に表わす」を「たまに行う」男性や、「肯定的に解釈する」、「積極的に問題を解決する」を「たまに/よく/非常によく行う」男性では、全死亡リスクが15~41%低いことがわかりました。このような日本における大規模な調査から、ストレスへの対処行動と全死亡リスクには関連が見られ、さらに男女差が存在することが示唆されています。

暮らしとモノ班 for promotion
【先行セール開催中・目玉商品42選】Amazon「プライム感謝祭」間近!お得なキャンペーンや目玉商品を詳しく紹介
次のページ