つげ氏によると、JR那須塩原駅で出迎えた人たちから「愛子さま!」と歓声を受けた愛子さまは、大勢の知らない人たちから名前を呼ばれたためか、表情が消え、戸惑った様子を見せていた。「固まっている」状態になりながら手を振っていた愛子さまが、印象に残っているという。
そんな幼い頃の様子と比べると、自ら相手に近づいていく様子を見せた愛子さまの「成長ぶり」は、感慨深いものがある。
こうした変化は「やはり就職されたことが大きいのでは」と、つげ氏は推察する。
今春に学習院大学を卒業した愛子さまは、4月から日本赤十字社に就職し、青少年・ボランティア課に配属された。今回、9月に入ってからのご静養となったのは、“青少年”が夏休みの間が忙しい部署だったからのようだ。
そして、さまざま多忙な時期を乗り越えて、社会人として迎えた初めての夏休み。
つげ氏は、今回のご静養での様子から、よりたおやかで、落ち着いた雰囲気になった愛子さまが見て取れたという。
「社会人になってから5カ月余り、職場での人間関係というものが、愛子さまの人見知りを薄めていったのではないかと思います。人々に歩み寄ってお話しをされた姿に、職場でも円滑にコミュニケーションをはかって仕事をされているのだろうなと感じました」
愛子さまにみえた包容力
天皇陛下と雅子さま、愛子さまは、到着した那須御用邸を散策し、そろって報道陣の取材を受けられた。
緑の中を歩く愛子さまは、はつらつとしていて、笑顔からは自信と包容力が感じられた。
そして報道陣に向かい、陛下の横に立った愛子さまは、陛下の顔についた蚊に気づいて手で払う仕草を見せた。その様子を見たつげ氏は、
「これまでの愛子さまは、記者の前では緊張されている印象がありました。しかし今回、小さな蚊に気がつき、追い払う一連の動作がとても自然で、まるで普段の和やかな親子関係を見たようでした。これまでになかった余裕を持っていらっしゃると感じました」
そんな愛子さまの変化を、もっとも感じているのは、父である天皇陛下だろう。天皇陛下は蚊を払ってくれた愛子さまを、目尻が下がりきった笑顔で見つめていた。
「天皇陛下の『しっかりしてきたな、愛子は……』という心の声が聞こえてきた気がしました。このような対応が自然にできる愛子さまのご成長の瞬間を実感された、陛下のあの笑顔だったのではないでしょうか」
愛子さまの「成長」がうかがえた、社会人になって初めての夏休み。ご一家のあいだで、さまざまな話題に花が咲いたことだろう。
(AERA dot.編集部・太田裕子)