セ・リーグの野手では龍空(中日)の名前が挙がる。近江高校時代からショートの守備には定評があり、2020年のドラフト3位で中日に入団。2年目には早くも62試合、昨年も114試合に出場するなど順調にキャリアを積んでいるように見えた。しかしチームは過去2年のドラフトでショートの選手を多く指名。今年はここまでわずか一軍で17試合の出場にとどまっており、二軍でもなかなか出場機会を得られない状況が続いているのだ。ただ二軍の打撃成績は3割近い打率をマークするなど課題の打撃に成長が見られており、何よりも今年で22歳という若さは大きな魅力である。このままチームに残るよりも、他球団の方がチャンスは多いはずで、龍空にとってもプラスが大きいのではないだろうか。
パ・リーグの投手では鈴木健矢(日本ハム)が面白い。木更津総合、JX-ENEOS(現・ENEOS)では本格派のサイドスローとして注目を集め、2019年のドラフト4位で日本ハムに入団。プロではなかなか結果が出なかったものの、アンダースローに転向すると昨年はキャリアハイとなる6勝をマーク。今年は他の投手の台頭もあってわずか1勝にとどまっているが、防御率も2点台と成績は悪くない。左打者に弱いというのは大きな課題だが、なかなかいないタイプの投手であり、チャンスさえあればまだまだ活躍できる余地はあるはずだ。同じアンダースローでは今年からセ・リーグでプレーしている高橋礼(巨人)、中川颯(DeNA)が一軍の戦力となっているのも追い風である。現役ドラフトの市場に出てくればセ・リーグの球団から人気になる可能性も高そうだ。
そしてこの話題になると必ず名前が挙がるのがリチャード(ソフトバンク)だ。ウェスタン・リーグでは昨年まで4年連続ホームラン王に輝いており、2022年には29本塁打というリーグ記録も樹立。しかし一軍では2021年の7本塁打が最多であり、今年もここまで15試合の出場で7安打、0本塁打に終わっている。