9月も終盤戦に突入しました。最近「AERA dot.」で掲載された記事のなかで、特に読まれたものを「見逃し配信」としてお届けします(この記事は8月22日に「AERA dot.」で掲載されたものの再配信です。年齢や肩書などは当時のもの)。
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次期首相を決める自民党の総裁選が、9月27日に投開票される。ただ、立候補への動きが注目されている候補者の顔ぶれを見ると、多くの議員がこれまでに世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係性をメディアに報じられている。いまだ完全に関係性が断ち切れたのかははなはだ疑問ではあるが、総裁が変われば明確に切り離されるのだろうか。長年、旧統一教会の問題を追及してきたジャーナリストの鈴木エイト氏に話を聞いた。
ーー旧統一教会と自民党との接点は、いまだに不明瞭なところがあります。「決別」したかどうか、実態をどう把握すればいいのでしょうか
旧統一教会との関係について、自民党は2022年に党所属の国会議員に対して”総点検”を行いました。その結果、379人中179人に接点があったと判明し、うち121人の氏名を公開しました。旧統一教会と自民党との関係性は長く、過去に遡ってこれまでどんな関わりがあったかなどの調査は全くされておりません。点検したからいいでしょ、という姿勢に見えます。点検後の旧統一教会との関係についてチェックする態勢が党内で整備されておらず、あくまで自己申告制になっています。実態は把握できないでしょう。過去の問題として扱われ始めているので、いま一度、本当の意味での”総点検”をするべきです。
「厳しい対応を取る」と明言した小林氏
ーー小林鷹之前経済安全保障担当相が19日に記者会見を開き、総裁選への立候補を表明しましたが、その際、旧統一教会に対し、「厳しい対応を取る」と明言しました
小林氏はこれまで、旧統一教会の関連団体が主催するイベントであいさつしたり、祝電を送っていたりしたことが明らかになっています。会見で小林氏は、「軽率だったと反省している」と説明し、「選挙支援の依頼や金銭のやり取りなどは一切、関わりがない」と話していました。また、旧統一教会に対して「厳しい対応を取る」と明言したことは評価できます。ここまで言い切ったのならば、仮に次の首相になったとしても、さすがに旧統一教会側に有利な政策をする方向に舵は切らないでしょう。