その魅力は、オープニングのアニメーション映像にもあると中村氏は話す。

「シシヤマザキさんによるオープニングも魅力的です。寅子が生涯をかけて追求していくであろう法の『精神』と、シシさんの表現する『身体性』が混ざり合い、人の“温もり”が感じられるアニメーションが朝の雰囲気にマッチしており、ドラマの盛り上がりを予感させます」

 シシヤマザキさんによるオープニングのアニメーションは、「ロトスコープアニメーション」という技法で、実際に動いている映像を水彩画のように仕上げるものだそう。米津玄師の主題歌「さよーならまたいつか!」と共に、とても軽快で明るい。「虎に翼」の世界観に、そんなところからも引き込まれる人が多いのだろう。

主人公・寅子の人気の理由

 第1週目にして、すでに流行語の呼び声高い、主人公・寅子の「はて?」も大きな魅力のひとつと中村氏は分析する。

 寅子が疑問に感じたり、納得のいかない事象に対し、「はて?」と言う。伊藤沙莉の独特のハスキーな声での「はて?」はいい。

「寅子の『はて?』というセリフもキャッチーです。“男はこうあるべき、女はこうあるべき“といった、それまで当たり前のように蔓延していたいびつな価値観を、ドラマを見る人も一歩立ち止まって考えさせる効果がある、非常に優秀なセリフだと思います」

 好調な「虎に翼」だが、まだまだ始まったばかり。そんな中、第2週から登場した寅子の同級生・山田よねから「目が離せない」と中村氏はいう。

映画「CHAIN」の舞台挨拶のときの女優・土居志央梨(写真左)。朝ドラ「虎に翼」では背広にネクタイ姿だ=21年10月21日、京都市左京区京都芸術大学内の京都・春秋座

「まだ序盤ではありますが、寅子の同級生・山田よね役の土居志央梨さんが、非常に気になります。男性のように背広にネクタイというファッションに身を包み、クラスの誰とも交わらない一匹狼的なキャラクター。そのクセの強さに、登場した瞬間から釘づけです。

 どんなバックグラウンドを持っているのか、ドラマの中でどういう役割を果たし、どんな道を歩んでいくのか非常に楽しみです」

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