菅政権時代の首相補佐官だった和泉洋人氏

チームの要は元官邸官僚の「和泉洋人氏」?

 では、もしも「小泉進次郎政権」が誕生した場合、菅氏はどのようなポストで処遇されるのか。前出の望月記者の見立てはこうだ。

「菅さんは、もう幹事長や官房長官はやらないでしょう。進次郎さんは出馬表明の記者会見で、政治資金の透明化を強調し『政策活動費は廃止する』と述べました。今まで、幹事長は使途を公開しなくていい政策活動費が年間約10億円も使えました。進次郎さんが本当に政治改革をすれば、それがなくなってしまうのだから、もう“うまみ”はありません。官房長官は、たとえば夜中に大地震が起きたら朝イチで記者会見を開くなど緊急対応が求められ、今の菅さんには体力的にもキツイでしょう。やはり自民党副総裁というラインが現実的だと思います」

 一部メディアではすでに進次郎内閣になった場合の“閣僚名簿”まで報じられているが、政権運営には「官邸内」の人事も重要になる。そこで重要ポストに就くのはどのような面々が考えられるのか。

「まずは菅官邸の中で、側近中の側近だった元首相補佐官の和泉洋人さんを『チーム進次郎』の要に据えるのではないかと思います。和泉さんは現在、大阪府と大阪市の特別顧問を務めています。また、菅内閣で首相秘書官を務めた財務省主計局総務課長の大沢元一さん、外務官僚の高羽陽さん、経産官僚の門松貴さんらの名前が浮上しています。彼らは菅さんが官房長官のときに側近だった官邸官僚たちです。菅さんは政治家が何を言っても、官僚が動いてくれないと行政は変わらないことがわかっている。だから、菅さんにとって、自分が使いやすく、手足となって動いてくれる官僚は重宝したい。進次郎さんだけでは力不足だとわかっているので、菅さんは自分の側近を官邸官僚として入れてフォローさせたいと思っているのではないでしょうか」

 菅氏に重用された官邸官僚たちが集うことで「最高のチーム」を作ろうとしているのか。前出の菅氏周辺の関係者はこう断言する。

「2021年に菅政権から岸田政権に変わりましたが、進次郎が首相になれば、再び菅政権に戻るということ。新たな菅政権の誕生になるんですよ」

 進次郎氏の背後には、復権に向けた菅氏の執念が渦巻いているようだ。

(AERA dot.編集部・上田耕司)

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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