以上が、総理を目指す政治家のプロフィルだが、実際に総理の座に就いた政治家はどんな経歴なのか。ここで歴代総理の出身校を見てみよう。
高校は次のとおり(旧制中学校を含む)。
◆学習院高等科 4人
近衛文麿(34、38、39代)、東久邇稔彦(43代)、細川護熙(79代)、麻生太郎(92代)
◆群馬県立高崎高校 2人
福田赳夫(67代)、中曽根康弘(71~73代)
◆麻布高校 2人
福田康夫(91代)、橋本龍太郎(82、83代)
◆島根県立松江北高校 2人
若槻礼次郎(25、28代)、竹下登(74代)
◆山口県立山口高校 2人
岸信介(56、57代)、佐藤栄作(61~63代)
出身大学ランキングは次のようになっている(各大学で最近の3人)。
◆東京大 19人
中曽根康弘(71~73代)、宮沢喜一(78代)、鳩山由紀夫(93代)など
◆早稲田大 8人
福田康夫(91代)、野田佳彦(95代)、岸田文雄(100、101代)など
◆京都大 5人
近衛文麿(34、38、39代)、片山哲(46代)、池田勇人(58~60代)など
歴代総理の出身校や職歴などのプロフィルから、総理になるための有力なルートとして、東京大卒業、官僚からの転身、世襲、慶應義塾出身といった要素が浮かび上がる。
今回意欲を示している中で、加藤勝信は二世(妻の父が議員)、東京大、官僚出身と三拍子揃う。林芳正は加藤より年齢が若く二世、東京大卒、ハーバード大大学院修了で地元からサラブレッドと呼ばれる。しかし、歴代総理と経歴が似ているからといって彼らが最有力というわけではない。彼らは小泉進次郎に存在感でやや遅れをとっているし、旧派閥の論理で動くかもしれない。日本の舵取りをしっかりまかせられる総理の誕生を願う。自民党総裁選は9月12日告示、27日投開票である。(教育ジャーナリスト・小林哲夫)
(政治家、芸能人・タレントは敬称略/河野太郎、安倍晋三、福田達夫は三代、岸信千世、小泉進次郎は四代続く国会議員)