次に出身高校を見てみよう。
石破、河野は慶應義塾高校(塾高)で、いずれも世襲議員である(以下、三代、四代続く議員がいるがすべて“世襲”と称す)。国会議員は慶應義塾が大好きなようで、子どもを同校に通わせるケースが見られる。慶應義塾高校、慶應義塾大出身には世襲議員が少なくない。塾高→慶大の中曽根康隆、中曽根弘文、福田達夫、岸信千世の父または祖父、曾祖父は総理大臣をつとめた(福田は父と祖父の両方が総理)。石原宏高、奥野信亮、高村正大などの父または祖父は大臣経験者である。
コバホークという異名が定着しつつある小林は開成出身である、岸田文雄の後輩にあたる。開成は官僚、国会議員を多く送り出した。霞が関、永田町で働く同校OBは「永霞会」という同窓会組織を作っている。開成出身の自民党の国会議員は8人いる。だが、前回、岸田が総裁選に立候補したとき、第1回投票で岸田に票を入れた開成OBの議員は少なかったという。同窓より所属派閥の立場が優先された形だ。今回も小林は開成OBからの票は期待できそうもない。
齋藤健は東京教育大附属駒場高校(教駒、現・筑波大附属駒場)から東京大に進んだ。2022年11月、齋藤は第2次岸田改造内閣で法務大臣に就任した。前任の大臣も筑駒OBで警察庁出身の葉梨康弘だったが、「外務省と法務省は金にも票にも縁がない」「法務大臣は死刑のはんこを押したときだけニュースになる地味な役職」などと失言し、その責任を問われ事実上、更迭されてしまう。
同時期、山際大志郎・経済再生担当大臣が旧統一協会との関係を取りざたされ辞任し、その後任には教駒OBの後藤茂之が就いた。岸田内閣で教駒OBが2人、大臣になったわけだ。
野田聖子は田園調布雙葉を中退して、アメリカのハイスクールに通った。帰国後、上智大外国語学部比較文化学科(現・国際教養学部)で学び、卒業後は帝国ホテルに就職している。田園調布雙葉の3学年下には皇后陛下(当時は小和田雅子さん)がいた。長嶋茂雄さんの次女の長島三奈さん、佐田啓二の長女で俳優の中井貴惠も同窓である。