留学経験があるのは上記の5人に加えて2人。河野太郎は慶應義塾大を中退してジョージタウン大、小泉進次郎は関東学院大を経てコロンビア大(大学院)で学んだ。
また、野田聖子が通っていた上智大外国語学部比較文化学科の前身は上智大国際部であり、タレント・芸能人の出身者には范文雀、ジュディ・オング、南沙織、アグネス・チャン、早見優、西田ひかる、クリスタル・ケイ、青山テルマ、はな、川平慈英、デーブ・スペクターなどがいる。キャスターでは安藤優子、山口美江、小牧ユカなどが学んでいた。昔からグローバル化を進めてきた大学出身である。国際感覚があることも、備えるべき資質の一つといえそうだ。
続いて大学卒業後の進路。商社が2人、メディアが2人いる。
林は三井物産、茂木は丸紅に就職した。青山繁晴は共同通信、茂木は丸紅勤務後に読売新聞、マッキンゼーに転職している。上川は三菱総合研究所研究員を経て留学し、アメリカでは上院議員の政策立案スタッフを務め、大統領選挙運動にも参加している。茂木、青山、上川の親族に政治家はいない。彼らはメディア、コンサルタント、シンクタンクなどの勤務を通じて政治の世界にかかわるようになり、「わたしがこの国を良くしたい」と国会議員を志すようになったのは想像に難くない。
なお、これまで企業勤務経験がある総理には、橋本龍太郎(82、83代)は慶應義塾大から呉羽紡績(現・東洋紡)、安倍晋三(90、96~98代)は成蹊大から神戸製鋼所、羽田孜(80代)は成城大から小田急バスといったケースがある。だが、3人はいずれも二世、安倍氏は三世議員でサラリーマン経験は短く、早々に親の地盤を継いで国会議員となった。