24時間テレビのチャリティーマラソンを完走した「やす子」(写真:REX/アフロ)
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「24時間テレビ47 愛は地球を救うのか?」(日本テレビ系)のチャリティーマラソンを完走し、視聴者に大きな感動を与えた、お笑い芸人のやす子(26)。台風10号が接近中という悪天候のなか、日産スタジアムのトラックを75周も走り続けたことに「愛のない演出」との批判もあったが、最終的には両国国技館を目指すという毎年恒例のゴールシーンも実現し、大団円を迎えた。

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「今年の『24時間テレビ』は募金着服問題もあって、番組にはかつてないほどの逆風が吹いていましたが、最後の最後にやす子がそれをひっくり返した印象です。彼女はこれで国民的な人気を獲得し、好感度が爆上りしました。一方で、霜降り明星の粗品は自身のYouTubeチャンネルで『お笑い芸人やのに好感度上がりすぎたらしんどいで?』とやす子の今後を心配する発言をしました。確かに、上がりきった好感度をうまくコントロールしないと芸人として笑いを取るのは難しい。今後のやす子がどうなるか、テレビ関係者が注目しているところです」(テレビ情報誌の編集者)

 やす子は今回、児童養護施設出身だったことを改めて明かし、その恩返しのため今回の「全国の児童養護施設に募金マラソン」に挑戦。全国600カ所以上の施設への募金額は4億3800万円を超えた。

「やす子さんは、もはやお笑い界のマザー・テレサのような存在になり、今後は若手芸人のひとりとしては扱えなくなるでしょう。これは芸人としてブレークしたという意味ではなく、『24時間テレビ』によって“感動系タレント”にさせられてしまったということ。彼女の現在の芸人スキルとはかけ離れた存在になってしまったため、今後彼女がキャスティングされるであろう大仕事に対してちゃんと笑いが取れるかどうか……そう心配してしまう人がいるのも事実でしょう」(放送作家)

 今回の「24時間テレビ」は台風や寄付金着服のほか、旧ジャニーズのタレントがMCから外れるなど異例づくしだった。そんな逆境的要素が重なったため、逆に「同情を買いすぎてしまった」という側面もあるようだ。

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藤原三星

藤原三星

ドラマ評論家・芸能ウェブライター。エンタメ業界に潜伏し、独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を書き続ける。『NEWSポストセブン』『Business Journal』などでも執筆中。

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芸人としては「イジリづらい」