「24時間テレビ」の出演者たち

視聴者は次の「美談」を求める

「スタジアムのトラックでのマラソンを余儀なくされ、大雨のなか透けたTシャツで走り続けるやす子さんの姿はさすがに痛々しいものがありました。悪天候でもマラソンを強行した日本テレビには批判が集中しましたし、沿道に出て国技館に向かう時も痴漢騒動があったりと、散々な目に遭いました。ただでさえ過酷なチャリティーマラソンなのに、彼女の前に立ちはだかる逆境の数々が“悲劇のヒロイン”に仕立て上げた感はあります。直前に起きたフワちゃんによる暴言投稿もあり、やす子さんが感動のゴールテープを切るまでにさまざまな思いが去来して、結果的に必要以上に同情を買ってしまうことになった。制作側からするとオイシイ展開かもしれませんが、芸人にとっては『ツッコミづらい』『イジリづらい』という評価につながってしまう。やす子さんの芸人としての本当の逆境は、これから始まるのかもしれません」(民放バラエティー制作スタッフ)

 放送終了後も「24時間テレビ」の演出方法やギャラ事情に関するニュースは数多く量産され、過熱報道が続いている。やす子が日常を取り戻し、再びお茶の間の笑いを獲得することはできるのだろうか。バラエティー番組のプロデューサーはこう言う。

「今回で知名度は爆発的に上がりましたが、その分、彼女に課せられる笑いのハードルも同様に上がります。しかも、お茶の間の視聴者は次なる“美談”を求めてしまう。そのため、感動物語やエピソードを前面に出したバラエティー番組でキャスティングされることが増えるでしょう。そういった意味では、やす子さんにとっての正念場はこれから。下手に笑いにこだわるより、ニーズに応えて、さまざまな感動を伝えていくというポジションを極めるのもいいかもしれません。ただ、『マラソンのギャラは1000万円』といううわさ話に、本人がSNSで『一銭もいただいてないですよ!』と投稿したのはまずかった。タレントが公の場でギャラについて語るのはご法度。やす子さんはその辺がピュアすぎるというか、ネット上の不用意な発言に対して反応してしまいがち。プロならばその辺を受け流すスキルも今後必要となるでしょう」

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