実際に現地でも「メジャーリーグの監督たちの給料が少なすぎる」という意見もある。
2023年10月には米メディア『USA TODAY』がメジャーの指揮官たちの年俸についての記事を掲載。その中で、「彼らはチームの声であり、組織というブランドの代表者、ファンたちにメッセージを送る役目もあり、ユニフォームを着たすべてのプレイヤーたちに対して責任がある」と監督業についての重要性について触れつつ、それが報われないとしている。
そもそも、先述したカウンセル監督は史上最高額の契約を手にしているものの、選手の年俸と違い、指揮官たちの年俸はほとんど上がっていない。『USA TODAY』はヤンキースのジョー・トーリ監督が今から17年前の2007年に年俸750万ドル(約10億7000万円)を手にしていたことを振り返りつつ、就任以降8年連続でドジャースをプレーオフに導いているロバーツ監督の昨季年俸が325万ドル、2021年に26年ぶりにワールドシリーズを制したブレーブスのブライアン・スニッカー監督の年俸が120万ドル(約1億7000万円)とかなり“格安”であることを指摘している。
さらに昨シーズンは6人が100万ドル以下の年俸で、15人が175万ドル(約2億5000万円)、もしくはそれ以下しか手にしていない状況に着目。大学の野球チームを率いる監督でも10人が120万ドル以上を稼いでおり、トップは247万ドル(約3億5000万円)とアマチュアスポーツの監督より低いケースがあるということを伝えている。
なお、米国では大学スポーツが非常に盛んだが、中でもアメリカンフットボールの人気は抜群。ヘッドコーチたちも相当な金額を貰っており、昨シーズンの年俸を見てもトップから5位は1000万ドル(約14億3000万円)以上、6位から12位も今季メジャー最高年俸のカウンセル監督よりも多い800万ドル以上を稼ぎ出している。
こんな給料事情についてMLBのある監督も納得していない様子。『USA TODAY』によるとある球団の監督は「恥ずべきことだ。どうしたら大学野球の監督たちが我々より稼げるというのだろうか? これは間違っていると思うね。メジャーの監督がリーグを離れて大学野球に行くのは全く不思議だと思わない」とMLB指揮官の給料事情を嘆いている。