プロ野球独立リーグの栃木ゴールデンブレーブスのユニフォーム姿のティモンディ高岸
プロ野球独立リーグの栃木ゴールデンブレーブスのユニフォーム姿のティモンディ高岸

 だが、実際には違う。フリ(振り)がしっかりしていれば、そこにまっすぐに答えを返すだけで笑いが起きる。サッカーにたとえるなら、精度の高いパスが出ていれば、そこに足を出すだけで自然にシュートが決まる、というのと同じだ。

 前田は天性のアタッカーである高岸の潜在能力を最大限に引き出すために、自分はあえて一歩引いて、精密なパスを出すことに徹している。そんな前田の若手離れした状況判断力があったからこそ、ティモンディはデビューしてすぐに売れっ子になることができた。

 前田は、自分たちが芸能人として売れて、高岸にプロ野球の始球式で投げさせることを目標に掲げていた。その目標が実現したとき、マウンド上で高岸は涙をこぼしていた。一方、そんな高岸の様子を見守る前田ももらい泣きをしていた。

 高岸の決め台詞「やればできる!」は空虚なお題目ではない。ティモンディの2人はそれぞれが高い意識を持って目標に向かって突き進み、それを実現させてきた。彼らはいつでも本気なのだ。

  前向きな生き方の極意は、絶対にできると信じること。そして、できるまでやり抜くことだ。プロ野球選手と芸人の二足のわらじを履くことになった高岸は「信じること」と「やり抜くこと」の二刀流でもあるのだ。

(お笑い評論家・ラリー遠田)

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