そういう意味で43歳の小泉氏は、変化のイメージとしては最強だ。一方で党の役職や重要閣僚の経験のない小泉氏には、党内から不安視する声もある。

 総裁選は1回目の投票は国会議員票367票と地方票367票の計734票で決せられる。いずれの候補も過半数を取らなければ、上位2人の候補が国会議員票367票と地方票47票の計414票で2回目の投票を争う。決選投票では国会議員の意向がより反映されるというところがミソだろう。

 麻生派の54票は、まとまれば党内最大の組織票になるはずだ。果たしてその票は最終的にどこに向かうのか。まずは12日にふるいにかけられ、27日までに大方が決せられる。そしてその動向を、岸田首相や二階俊博元幹事長も注視する。自民党を支配するキングメーカーの座をめぐり、総裁選とは別のもうひとつの戦いは、すでに始まっているのかもしれない。

(政治ジャーナリスト・安積明子)

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安積明子

安積明子

■あづみ・あきこ/兵庫県出身。慶應義塾大学経済学部卒。国会議員政策担当秘書資格試験に合格し、政策担当秘書として勤務。その後テレビなど出演の他、著書多数。「『新聞記者』という欺瞞|『国民の代表』発言の意味をあらためて問う」(ワニブックス)などで咢堂ブックオブイヤー大賞(メディア部門)を3連続受賞。近著に「眞子内親王の危険な選択」(ビジネス社)。趣味は宝塚観劇。

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