鈴木さんは、器具を回してカプセルがゴロンと出てくるのを楽しんでいた愛子さまを覚えているが、
「幼いながらも、たくさんいる馬に公平に『ごはん』をあげることを意識なさっていました」
と振り返る。
食欲旺盛で力の強い馬は、ほかの馬のエサまで食べてしまう。
愛子さまは、エサを横取りされてしまった馬を、雅子さまの顔を見ながら指さした。
「あちらにも」
まだ言葉でうまく説明できない愛子さまは、「どの子(動物)にも公平に食べさせてあげたい」という思いを伝えたかったようだったと、鈴木さんは振り返る。
困ったのが、ご一家に付き添う侍従だ。100円硬貨を10枚ほどは用意していたようだが、ついになくなってしまった。
「鈴木さん、小銭ありますか」
侍従にお願いされた鈴木さんも慌てて、100円硬貨を探したという。
陛下は、ガチャガチャに熱中し、ウサギや馬に一生懸命に「ごはん」をあげる愛子さまと、それを見守る雅子さまの様子を、ニコニコしながらカメラに収めていたという。
小さな子の面倒を見る愛子さま
2008年に愛子さまは学習院の初等科に入学。小学生になると、お友だちの家族と一緒に那須どうぶつ王国に遊びに来ることもあった。そのなかに自分より小さな子がいると、一緒に遊んだり、気を配って面倒をみたりしていたという。
そして昨年、ご一家は4年ぶりに那須御用邸に滞在した。鈴木さんが久しぶりに対面した愛子さまは、大学4年生のお姉さんになっていた。
今夏のご静養では、愛子さまは「お留守番」だったため、鈴木さんはまだ社会人になった愛子さまと対面できていない。
「ここは43ヘクタールの敷地と自然のなかにあり、野生動物も身近に感じられる空間です。天皇陛下と皇后さま、愛子さまは、お忙しい日々をお過ごしだと思いますが、広大な緑と動物たちに囲まれるひとときだけでも、日常を忘れてリラックスして過ごしていただきたいですね。またご成長された、愛子さまにお会いできるのを、楽しみにしています」
(AERA dot.編集部・永井貴子)