もちろん、学校に行くことを否定しているわけではありません。学校には通う意義があるし、社会に出る前にさまざまなことを学べる場所だとも思っています。私自身も現在、学校に勤務していますし。

 ただ、学校に行く意味を見いだせなくなったり、どうしようもなく勉強が嫌になってしまったり、またはいじめを受けたり、いろいろな理由で「行きたくない」「行かない」という選択をした子たちは一旦、学校から離れてみて、学校以外に居場所があること、学べる場所があるということを知るというのも、学校に行くのと同じくらい意味があると思います。

 その上で、どこで何を学ぶのか、子ども自身が選択する。まだ社会人としては通用しない段階だと思うなら、知識や、人と付き合っていく上で大切なコミュニケーション能力を身につける場所が必要でしょう。少し厳しい経験になるかもしれませんが、知識やコミュニケーション自体を社会に出て学ぶということでも、私はいいと思っています。本人が、「やっぱり通用しないな」と思ったときこそが学ぶタイミング。自分で必要性を認識したら、一生懸命学びますよね。

 親としては、レールに乗せておけば安心。そしてそのレールから外れて欲しくない。そう思いがちですが、昔と違って、どんなレールに乗っても安心できない世の中だということは、みなさんもご承知の通りです。言われたことを言われた通りにこなすだけではなく、自分で考える力を身につけなければ。いまの子どもたちは、何事も自己責任と言われ、世界と戦うために「自分の意見を持て」「想像力を膨らませろ」と言われ、ちょっと失敗しただけでネットで叩かれるような時代を生きていくのですから。

 学校に行くことができる子は、それを学校で学ぶ。学校に行けなくなってしまった子は、学校以外の世界で、学校に行ってないからこそできる体験や経験を通して、学べばいいんです。

 私自身も長男の不登校には戸惑い、悩みましたが、学校以外の世界は無限に広いのだと気がついてからは、視点が変わり、捉え方も変わり、結果的に子どもたちは自分の進む道を自分で見つけることができました。わが家の子どもたちにとっては、不登校は文字通り「チャンス」になったんです。

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不登校は必ずチャンスに変わる