子どもと過ごした夏休みが終わり、始まる新学期。あらためて子どもの成長と教育について考えたい。これまでにAERA dot.が掲載した「子育て」の記事のなかで、特に読まれたものを紹介します(この記事は「AERA dot.」に2022年6月7日に掲載した記事の再配信です。年齢や肩書などは当時のもの)。
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ちょっと鼻について笑える女たちのネタでブレークした芸人・横澤夏子さん(31)が母になった。インスタグラムで投稿する「#今日の連絡帳」をはじめ、子育て中の女性ファンも多い。子育てが大変な時、どうしたら笑えるのか。芸人ならではの悩みと笑いに変えるコツを聞いた。
※記事前編<<横澤夏子「飛びつきたい仕事なのに…」子育てとの両立に悩みも 目標を2035年にする理由>>より続く
――女性の芸人さんの中には、芸風と結婚・子育ての両立に悩んだりする方もいらっしゃいます。
結婚した時に、婚活ネタが使えなくなるという壁はありましたね。結婚したら「新婚のエピソードお願いします!」、子どもを産んだら「子どものネタ、ママ友のネタ」ってすぐ求められるんですが、モテない、結婚したいって言っていた期間の方がずっと長いし、その時の方が私の中で言えるワードやネタがすごく広がっていたんですよね。
私のネタには鼻につく感じの女の人も出てきますが、街中にいるいろんな人を見て「こういう言葉を言ってみたい」という憧れが出発点だったりするんです。昔、子どもがベビーカーに乗ってくれないお母さんっていうネタも作っていて、「乗りなさいよ、乗るの? 乗らないの? どっちなの?」ってずっと子どもに聞くんですが、いざ自分が同じ状況になったら、ムカついてしょうがなかった(笑)。
子どもの話って子ども自身のことでもあり、あんまり話さないほうがいいんじゃないかという気持ちもあるし、世の中に母親ってたくさんいて子育て論も無数にあり、正直、周りの目が気になるという面もありますね。
――SNSでは横澤さんの子育て投稿を楽しみにしている方も多いと思います。
以前、子どもが泣いていたときに「え? え?」ってこちらが驚くと泣き止むっていうことを発見して、面白いなと思ってインスタに載せたんです。そしたら自分の母親にめちゃくちゃブチギレられた。そこから(批判が)来るの!?って、かなり想定外でした。確かにコメントで「赤ちゃんの主張を受け止めてあげるのも必要ですよ」ってアドバイスくださっている方も何人かいたんですよね。
私は子どもを産んで母親になったけど、私の母はまだお祖母ちゃんにはなれていないことに気づいたり、この子の母親は私だから!って複雑な気持ちになったり、いろんな場面が全部コントに見えますね。何これ!こんなシチュエーション見たことない!って。設定が新しくなり続けていて、他の芸人さんだったら絶対面白くできるのに!って悔しくなることがめちゃくちゃあります。日常を切り取ってテレビに出続けてる人って本当にすごいし、巧みな職人なんだなと身に染みています。