28年ぶりに舌戦を繰り広げた上沼恵美子(写真左)と古舘伊知郎
28年ぶりに舌戦を繰り広げた上沼恵美子(写真左)と古舘伊知郎
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 27日放送の「突然ですが占ってもいいですか?」(フジテレビ・毎週火曜午後7時)は2時間スペシャルで上沼恵美子が登場するのが話題だ! そんな上沼恵美子の過去の人気記事を振り返る(「AERA dot.」2023年7月22日配信の記事を再編集したものです。本文中の年齢等は配信当時)。

【写真】並々ならぬ緊張感の上沼恵美子と古舘伊知郎の共演の瞬間!

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 芸能界では、大物芸能人同士の久しぶりの共演はそれだけで価値がある。何らかの「因縁」や「確執」があると噂されている場合はなおさらだ。とんねるずとダウンタウン、松本人志と太田光、中居正広と香取慎吾。これまでに数々の歴史的共演が世間を騒がせてきた。

 しかし、ほとんどの場合、こういった「夢の共演」では、2人が同じステージに立つという事実そのものに大きな価値があるため、そこで具体的な内容のある会話ややり取りが交わされることはあまりない。

 そもそもレジェンド級の芸能人というのは、それぞれが一国一城の主であるため、いざ共演してみると歯車が噛み合わず、人々が期待するほどには盛り上がらず、「両雄並び立たず」という展開になることも多い。

 しかし、最近あった1つの共演劇は、間違いなく最高のエンターテインメントだった。両雄の名は、上沼恵美子と古舘伊知郎。1994・1995年に2年連続で共に『NHK紅白歌合戦』の司会を務めた伝説のおしゃべりコンビである。話術の達人として知られる2人の『紅白』での共演は「世紀の舌戦」と呼ばれた。

 しかし、彼らはそのとき以来、一度も共演することがなく、顔を合わせる機会もなかった。そして、上沼は『紅白』で司会を務めたときのことを苦い思い出としてたびたび語っていた。その中で古舘に関しても「感じが悪かった」とこぼしていた。

 それを受けて、2022年3月には古舘伊知郎が自身のYouTubeチャンネルで公開した動画の中で、上沼との『紅白』を振り返り、反省の弁を述べていた。

 そんな確執が噂されていた2人が、28年ぶりにお互いのYouTubeチャンネルで共演を果たすことになった。動画2本にわたって公開された対談の長さは90分超。話芸の達人同士が息もつかせぬ言葉の応酬を繰り広げた。

 個人的には「とにかくすごかったので見てほしい」とだけ書いて、ここで原稿を終えたい気持ちに駆られている。そのぐらいすさまじいものを見た。大物同士の共演にありがちな、探り合い、褒め合い、譲り合いの空気は一切なし。表面上は穏やかに、しかし譲らないところは絶対に譲らず、「世紀の舌戦」を展開していた。

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ラリー遠田

ラリー遠田

ラリー遠田(らりー・とおだ)/作家・お笑い評論家。お笑いやテレビに関する評論、執筆、イベント企画などを手掛ける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり<ポスト平成>のテレビバラエティ論』 (イースト新書)など著書多数。近著は『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)。http://owa-writer.com/

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上沼と古舘の一戦は、間違いなく日本芸能史に残る