ぱやぱやくん最新作『社会という「戦場」では意識低い系が生き残る』より(イラスト:なかきはらあきこ)
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 SNSが普及してから、ネット上で「幸せ自慢」をよく見かけるようになったと思いませんか? 「自分とは関係ない」はずなのに、なぜか気になってしまう人も少なくないはず。しかし、Xフォロワー約30万人の元自衛官のぱやぱやくんは、そうした投稿を分析し、「独裁者」との共通点を見出します。他人のことが気にしすぎないようになるためにはどうすればいいのか? その答えを探った、著者の最新作『社会という「戦場」では意識低い系が生き残る』から内容を一部抜粋・再編集して探ります。

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 SNSでは「私は幸せだ!」とか「自分はモテるんだ!」「自分はこんなにたくさんお金を持っているぞ!」みたいに語るインフルエンサーたちが数多くいます。

 そこまで極端じゃなくても、たとえば皆さんの知り合いの中にも、大企業に勤務をしている自分は「勝ち組」だが、中小企業に勤務をしている人たちは「負け組」だ、みたいなことを遠回しに言う人はいるかもしれません。

 あるいは「結婚生活は本当に幸せ。未婚の人は早く結婚したほうがいいよ!」と別に求めてもいないアドバイスを送ってくる人もいるかもしれません。
 

 でも、こんな投稿を見ても「自分は不幸だ」などとは考えてはいけません。

 もちろん「あなたの幸せは、あなた自身が決めるべきだから」と言うこともできますが、私がここで声を大にして言いたいのは、SNSでやたらとマウンティングをしたがる人は「そうしないと辛つらい人たち」である可能性が高いということです。

 こうした傾向は、人間のいろいろな面から見ることもできます。

 たとえば、独裁者が支配する国ほど、指導者の力量を過剰に宣伝し、いかにそこに暮らす人民が幸せなのかをアピールしたがります。

 そういったアピールは指導者だけが行うわけではありません。そこに暮らす人々もいつの間にか、このアピール合戦に参加するようになります。

 なぜなら、一般の人たちもまた、このようにアピールをすることで、自分の嘘を信じこもうとしており、自分を幸せだと思いこみたいからです。

 さらに言えば、自分の人生があまりうまく行かなくなったときには、すでに手元にあるステータスだけで威張るようになってしまうのが人間です。
 

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